ハミルトンのキャリバー 649 英国軍向けのミリタリーウォッチに搭載されていました。
ベースキャリバーは ETA2750
Hamilton
Cal.649 = ETA 2570
φ25.6mm
H4.00mm
21600
17J
約41 時間
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♦️背景
1960年頃にハミルトン社は政府向けにフィールドウォッチを製造してきました。同時代にイギリスを本拠地とするスミスウォッチカンパニーがイギリスの軍用仕様のW10陸軍モデルの受注を受けていました。この役目は1970年に入りスミスウォッチカンパニーからCWC(キャボットウォッチカンパニー)社、そしてハミルトン社へと変更されました。
ハミルトンは 1965 年から1976 年にかけて英国軍向けに腕時計を製造しました。
1970年、ハミルトンはW10モデルをイギリス軍から受注しました。そのスペックは防水性能を高める為にワンピース構造を採用していました。ワンピースケースはアメリカのケースメーカーの得意分野でした。当時のケースメーカーとして有名な企業にはスターケースカンパニー、ワズワース、キーストンなどが存在します。ハミルトンはその技術力を軍用時計として導入しました。
♦️英国軍の備品に刻印されたナンバーコード(例)
時計の裏側にある軍の刻印はマニアにはおなじみのものです。
xxx-xxxx W10-6645-xx-xxxxx/73
xxx-xxxx 6BB-6645-xx-xxxxx/73
xxx-xxxx:モデルナンバー
W10:陸軍 6BB:空軍 アイテムコード
6645:腕時計
xx-xxxxxシリアルナンバー
73:マニュファクチャーイヤー(73年製造)
W10,6BBのあとの13 桁は NSN (NATO 在庫番号)
ブロードアロー シンボルが刻印、
支給番号と年が続きます。
6BB:空軍向け1973~1976
6BBは、この時計がRAFのメンバーに支給されたことをす。
W10:陸軍向け 1973〜1976
ハミルトン W10と呼ばれています。陸軍には 30,000 個以上、イギリス空軍には約 7,000 個が納品されました。
これらの時計のムーブメントは、Hamilton cal.649 です。17 石の手巻きムーブメントで、正確な時間設定のためのハッキング機能があります。
これらのキャリバーは実際には ETA 製で、cal.2750と番号が付けられていましたが、ハミルトンはテンプ下の ETA のブランドを削除し、トレインブリッジの受けに独自のブランドとキャリバー番号を刻印しています。
1976年以降の製造はハミルトンからCWC に移管され、同社では同等のCWCブランド版の腕時計を製造しました。このモデルは 1980 年まで支給され続け、その後クォーツ版の G10 に置き換えられました。
1980年代には政府はハミルトン社中心のミリタリーウォッチの大量購入を停止しました。これによりハミルトンのミリタリー時計20年以上の歴史が終わりますが、残された製造経験と設備を廃棄するのではなく、継続的に利用しミリタリー向けに製造していたものと本質的に同じ時計を作り続けることを選択します。
製造された市販モデルはそれはKhaki(カーキ)の愛称でよばれました。
初期のモデルはRef.9219、Ref.921980
当初これらのモデルは、ハミルトンが軍に収めていたMIL-W-46374 をベースにした33mm径ケースに民生用にデザインしたダイヤルが取り付けられました。
このの初期モデルはミリタリーモデルサイズのラグ幅17.4mmを継承しているのが特徴で、ムーブメントは6振動のETA.2750です。
Khakiは裏蓋の外周にスペックが刻印され「LANCATER PA.921980」等と記載されており、この場合はハミルトン社が米国にあった1982年以前に生産された物となります。
♦️Khakiの初期のモデル
9219:MW Cal.649(ETA2750)
921980:MW Cal.649(ETA2750) 1980~1982?
9415: ETA2801-2 1982~
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