ファインモールドのドラム缶を組んで | 柏駅から70チェーン

ファインモールドのドラム缶を組んで

ファインモールドの九五式戦闘機には、二種のドラム缶がある。飛行第77戦隊のバージョンには、輪帯が二つのドラム缶(三個入り)、そして「加藤攻撃戦闘隊」の方は、大小いくつかの輪帯が付けられたタイプのドラム缶(二個入り)が入っている。

見て感心したのだが、ゲートがデリケートな彫刻に位置する場合、そのディテールを極力損なわずに済む形状に工夫されている。たとえば「加藤攻撃戦闘隊」付属の、輪帯の多いドラム缶胴体のゲートは、表面にかからないように配置されている。

ファインモールドその1

ファインモールド_ゲート部

半円状のパーツを合わせて円筒を作るというのは意外と難しい作業だが、このドラム缶は、丁寧に作業をすればきれいな円筒が気持ちよくピタリと決まる。

ドラム缶組立途中経過

彗星艦爆や一式戦では、やろうとすることにメーカとしての力が及ばなかった感もあったものだが(失礼!)、こういう小パーツの合いの良さを見るにつけ、その頃に比べると見違えるほどの力を付けたものだとしみじみ思う。これは掛け値なしに思うことだが、タミヤやハセガワはうかうかしていられない。

口金の栓は、タミヤのセットから削ぎとってきた六角形のものを接着。ただし注入口だけ。換気口の方は、小さくてちょっと見ただけではわからないだろうから、交換せずそのままとする。

ドラム缶口金交換

口金といえば、前回の記事に初歩的な誤りがあった。口金の開栓に使うのは、六角レンチではなく、スパナ。レンチを使うのであれば、口金がメスでなければならない(笑)。

アップの写真で見ると輪帯のディテールがきついようにも感じられるが、目の前に輪帯の多いドラム缶が転がっているのは、今までなかったタイプのものだけに気持ちよいもの。ただし輪帯が2本でない場合、その数は、日本ドラム罐製作所の当時のカタログによれば大小合わせて8個もしくは16個のはずなので、残念ながらスケールどおりではないということになる。まぁこの辺りは、1/48のインジェクションとしての限界もあるので致し方ないだろう。

ドラム缶のようなアクセサリーは極力同じ調子のモールドで揃えたいので、もう少し欲しいなと思う。しかしファインモールドでは、アフターパーツとしては扱っていない。部品請求カードを見ても、ドラム缶を含むランナーは「非売品」となっており、取り寄せることができないのである。残念。

※各写真は、クリックすると大きいのが別ウインドウで開きます。