タミヤ、48MMの1月新製品として「くろがね四起」を投入。 | 柏駅から70チェーン

タミヤ、48MMの1月新製品として「くろがね四起」を投入。

タミヤが今年1月(つまり今月)に出す新製品として、1/48のくろがね四起を予定していることを皆さんご存知だろうか。
と書けば、「くろがね四起なら、もうタミヤフェアに合わせる形で出たじゃん」と思われるかもしれない。

ところが今度の製品は、48MMのラインナップとして出るというから厄介だ。その内容は、折りたたみ状態の幌とドライバーのフィギュアが追加されて、本体価格1,300円というもの。

つまりユーザーは、1/48の九五式小型乗用車が欲しいからといって、あわてて古い日本機キットとの抱合せ販売に手を出す必要はなかったわけ。

しかも先だって発売になった日本機5機のセットは、まだまだ市場に残っている。小売店が売りあぐねているところに、時を置かずして今度の新製品投入である。ユーザーにしてみれば、1,300円でドライバーのフィギュアも付くのであれば、なにも一つあたり税込み2,100円の日本機とのセットを買う必要はあるまい。だとすれば、くろがね四起とセットになった日本機(誰しもが一度は作ったであろう古いキットだ)はますます売れなくなるだろう。早い話が、例の抱合せ販売の商品は、小売店の不良資産になりかねない危うさを含んでいるということになる。

こうした小売店とユーザーを無視したかのような販売方法を見ていると、一体タミヤはどうなってしまったのかと首をかしげざるを得ない。

さて、くろがね四起について首をかしげるといえばもう一つ。日本機との抱合せ販売それ自体にも疑問がある。

くろがね四起が付いた、例の日本機5機セットの本体価格は9,000円。これをもし小売店がバラして売るとすれば、単純計算で一個当たり1,800円になる。ところが、筆者がいくつかの店を見た限りでは、本体2,000円、税込み2,100円で販売しているところがほとんどだ。

実はこれ、問屋筋から「バラ売りをするなら2,000円が目安」という告知が小売店に対してなされた結果。この告知は、表向きはタミヤからではなく、あくまで問屋がおこなった提示となっている。だが、複数の問屋それぞれが独自に提示したはずの参考価格が、メーカーの意向とは関係なしに同じ数字になるということがありえるだろうか。

もっとも、タミヤが本体価格2,000円という数字を指示したという明らかな証拠があるわけではないから、タミヤが問屋を通してバラ売りの際の価格を指示したというような断定はここでは控えておく。しかしそれでも、仮に、もしそこにタミヤの意向が何らかの形で働いたとするならば、下手をすれば価格拘束ということで独占禁止法に触れかねないのではないかということは指摘しておきたい。幸いにも、問屋から出された数字を守らないことに対する制裁があるということまでは聞かないから、この度の件に関しては独禁法には触れることはないだろうけれど。

ともあれ、このような、あまりにも不明瞭かつ迷走したような新製品の投入方法は、ユーザーや小売店に不審を抱かせることはあっても、メーカーにとって益するところは何もないだろう。「くろがね四起」の件に関しては、とにかく株式会社タミヤの猛省を期したいところ。