金曜電信 vol.31 【さそり座】 | toeの占星術的視点

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私は1999から西洋占星術に関わっています。リーディングでは、その経験の中で見えてきた各テキストの解釈の裏にある共通点のようなものを大切にしています。このブログでは、その視点による占星術の記事を紹介していきます。



【さそり座】


クオリティ:フィクスド/モノ
エレメント:水/忍耐


『さそり座』はモノを対象にして、忍耐の感情が起こるサインとなります。


人間関係とそれを構成する社会的価値観を観察、考察した『てんびん座』は、その中で自分が理想とする人格や集団を見つけだします。『てんびん座』の成果は、心を心理というロジックでモノ化に成功したことです。つまり心は方法さえ理解できれば自分の思うままにコントロールできる対象になった訳です。そこで『さそり座』は見つけだした理想的な人格をもつ他者や集団と自分の心を同化して、理想を取り入れようとするのです。


『さそり座』がよく支配的とか目的のために手段を選ばない、他人を操作するなど表現されるのは、心をモノ化した視点から行動、思考するからです。しかし『さそり座』の動機は他者との同化です、そのためには利己心を我慢する必要があります。つまり、モノを対象にした忍耐の感情という訳です。周囲から見ると『さそり座』は見た目大人しく、内面芯が強いと思われるのは、同化という強い動機があって、そのためには自分の心を押し殺すほどに徹底しているからでしょう。どうも『さそり座』の影響が強い人は自分の心さえモノ化しているようです。


具体的な手段としては、他者との共依存や深い関係、相手を束縛した生活など、対象者との一体感を通して、理想の人格を取り込もうとするのです。なので相手を独占していたいと考えるので、嫉妬深くなります。


『さそり座』は裏切りを決して許さない気質といわれています。これも同化が目的なため、相手を自分と同じように感じているからです、自身の半身くらいに感じているので裏切るなんて考えられない訳です。なので裏切られた時は徹底的に追い込みます、人間関係の好き嫌いはハッキリでます。


『さそり座』は深い対人関係の果てに、自分の魂が他者の魂と触れ合う機会が訪れます。しかし、この魂の接触は人が地上で生きている限り、直ぐさま肉体の感覚に引き戻され、魂が感じた一体感は勘違いと意識されます。これは魂が元は大きな魂の一部なので、魂同士が一体化してしまえば二度と肉体には戻ってこれなくなるからです。


『さそり座』の感受点の生命力を発動させたい時は、他者との深い関係に耽ることです。また特定の集団(家族、サークル、会社でいえば部署単位くらいの規模)の活動に夢中になるのもいいでしょう。自分を犠牲にしている、耐えている尽くしていると感じるくらいの方が『さそり座』の感情はより強くなります。