金曜電信 vol.8 【太陽2】 | toeの占星術的視点

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私は1999から西洋占星術に関わっています。リーディングでは、その経験の中で見えてきた各テキストの解釈の裏にある共通点のようなものを大切にしています。このブログでは、その視点による占星術の記事を紹介していきます。



【太陽2】


ジオセントリックの太陽は水星と金星を自分の生命力『人生の目的』のために働かせます。これは水星と金星が地球の公転周期の内側にあり、地球からの見かけで水星は28度以内、金星は48度以内の範囲内で太陽から離れられないためです。


そのため、水星と金星は本来の生命力を制限され、水星は言語、運動動作、コミュニケーション、知性を金星は喜び、快感、美的センス、恋愛、感性を人生の目的設定と達成のために働かせるのです。


『人生の目的』に生命力を活用する太陽は水星と金星の司令塔と言えますね。太陽の生命力は人生を有意義にして輝かせます。


太陽と月の関係で結婚についても占うことができます。


結婚とは新しい家庭をスタートさせることです。家庭的なものは月の生命力(プライベートな活動)が活用されると以前紹介しました。月は太陽から分化された生命力なので、太陽に保護されています。この関係を一般に当てはめると太陽が夫で月が妻となる訳です。


つまり、保護される家庭と家庭を保護する者という関係が成り立てば、太陽を女性が月を男性が担うこともある。ただし個人の個性にも左右されますが、概ね女性は月の生命力との親和性が高く、男性はその活動が苦手なようです。


なので結婚後、男性で苦手な月の活動を女性に押しつけ、太陽の活動を肩がわりして免罪符にしている人や、女性も得意な月の活動に従事することで太陽の活動を男性に肩がわりしてもらい太陽の役割の厳しい面から目を背けてしまう人がいます。


結婚は、今まで暮らしてきた親が造った家庭から離れ、自分達が安らげる新しい居場所を創るという、暖かな想像力と豊かな創意工夫を必要とする、素晴らしい試みです。もちろん苦手なことをお互い補う気持ちは大切ですが、役割分担が行き過ぎると『子どものことは全て母親の責任だ』『給料少ないんだから、家のことくらい手伝って』『誰のお金で食ってると思ってる』などお互いを罵り合う結果にもなります。


結婚は居心地の良い場所を期待して始めた、柔らかい心に関わる活動なので、破綻すると憎悪は無自覚な習慣に刷り込まれてしまい、生理的な嫌悪感にまでエスカレートします。『もう存在が嫌』『見たくない、消えてほしい』などをパートナーに思ってしまう人も少なくありませんよね。


感受点の生命力は、その活用に得意なもの苦手なものと個人差はあります。また男女差や年齢差もあり、全ての感受点を使いこなし使い切るのは時間もかかるし苦しみや悲しみもあるでしょう。しかし喜怒哀楽や感情を素直に出し切るのは生きている証しであり、魂が求めています。


仕事から見たら遊びみたいな目標や、多忙で雑多な主婦業から見たら取るに足らない家事手伝いでも、お互いが自分の苦手なことにチャレンジして、その活動をお互いに感謝、尊重し合う姿が結婚をより豊かで有意義なものにしていきます。結婚の過度な役割分担で大切なものを見失わないようにしましょう。