カウンセリングが終わるとしばらく待機。
その間カウンセラーさんとK先生がお話し。
しばらくして診察室に呼ばれる。
お部屋では先生が難しいお顔をされていた。
「カウンセラーさんともお話ししたんですが、HBOCの可能性は低そうですね。むしろ注意したいのは消化器です。遺伝子検査を受けるなら消化器系の遺伝子検査も含まれるもっと多くの物を調べられるパネル検査の方が良いと思います。」
じゃあ、もう一度別のカウンセリング?
「ただ、パネル検査は再発の方しか保険対象にならないので実費になりますね。50万位するんですよ。しかも今の状況でこの検査を受けたからと言って新たに何か治療法が変わると言うものでもないですし、研究段階の部分もあるのでグレーの回答と言うのも多いです。」
たっか!
検査に50万?
治療じゃなくて?
「受けてみられてもマイナスにはならないと思いますが・・・ご家族の病歴、ご自身の病歴を考えると何らかの変異がある確率が高いですね。」
「そうなって来ると(遺伝子の変異があると)部分切除はおすすめ出来ません。再発のリスクがはねあがるのと部分切除の後放射線治療を受けて頂くんですが放射線からの発がんのリスクも高いです。両側全摘をおすすめします。」
以前全摘か部分切除かで悩むわたしに、K先生は「まだ初期だから部分切除でも大丈夫ですよ、全部取ってしまうのは最終手段として出来るので・・・」と部分切除推しだったのが、ここにきて全摘をおすすめしてこられた。
つまり、それくらいリスクに差があると言う事なのか。
何でわたしこんな体質(?)なんだろう。
二回も三回もがんになって、治療法まで発がんリスクで限られて。
リスクが高いのなら全摘にするしかない。
初発と再発では全く意味が違う。
ほぼ部分切除にしようと決めていたからショックだった。
細やかな胸でもなくなるってこんな衝撃なんだ。
「全摘にします。」
「今決められますか?ご主人にも入って頂いてもう一度一緒に説明聞いて頂きませんか?」
「一人で来ているので・・・。」
そっか、皆ご主人と一緒に来られるんだ。
わたしは一人だ。
「そうなんですか。では両側全摘の方向でいきます。お家でご主人とよくお話しされて下さい。ご希望があればまた説明もさせて頂きますので。」
K先生はわたしが一人で決めた事にとても驚いていらした。
これは正しい決断だ。
リスクを避ける為に必要な事。
間違っていない。
自分で自分に言い聞かせた。
頭ではわかっている。
でも、帰り道何だか何もかもが凄く凄く悲しかった。