相続した親の家をどうするか? 選択A・B・C

 

 

 A、売る  B、建てる  C、貸す

 

土地をどうするか考えた時、選択肢はこの三つです。

(古家の老朽化が進み、リフォームして賃貸は難しい場合)

 

親の家を相続しても、相続人は利用しないことが多い。

相続人である子供達は、すでに外でマンションや分譲戸建てを

購入してそれぞれの家族で住んでいる場合が多いからです。

 

実際には、

兄弟でどのように分けるのか、話し合いをしながら、

決めるものと思います。兄弟の一人は土地が欲しいと言い、

ひとりはお金で欲しい...など、 色々です。

 

 

今回はスッキリと、3つの選択を考えてみます。

 

A、「売る」

 3つの中では、いちばん簡単、スッキリな方法かもしれません。

 (でも実家を売却するのは寂しいさもあります。)

 

 仮に1億円で売却できた場合、

 

 (概算)

 譲渡税20%+仲介手数料3%の費用がかかります。

 そうすると、10,000万円×(1-0.2+0.03)=7,700万円

 

 手元にのこるのは、約7,700万円となります。

 そんなに欲を出さず相場観のある金額で売却する場合は、

 (3カ月程度で次の買主が見つかる可能性があります。)

 

 売ろう!と決めてから、

 早くて3カ月~6ヶ月程度でお金にできると思われます。

 

 

次の2つ(B,C)は土地を維持していく方法ですので、

Aほど簡単ではありません。

 

選択するにも、

 ①ひとつに「土地活用としての収入」

 ②ひとつに「相続時の相続対策」

  (その他、次の相続を見越した遺産分割、納税資金対策等)

  上記にも気を配り、長期目線で選択する必要があります。

 

 その前にちょっとした知識として、こちらをご覧下さい。

 自宅の敷地、空き地、月極駐車場など、土地所有者が自由にできる

 土地(売ればすぐに資金化出来る)を「自用地」と言います。

 この自用地、相続時には100%評価となり結果、税額が高く見積ら

 れることにつながります。

 

 反面、自分の土地でも、すぐに売れない状態(たとえば借地、アパート

 が建っているなど)は、自用地よりも評価が下がります。

 ある意味では、

 この状態を意図的につくることが、相続税対策につながります。

 

 

B、「建てる」... アパートなどを建てる場合

  効果として

 

  1.土地の評価が下がる

    自用地に、アパマン等を建てると、その土地は「貸家建付地」と

    なり、土地の評価額が下がります。

    借地権割合70%の地域では、自用地の21%引きとなります。

  

  2.建物の評価減が受けられる

    仮に1億円の建物を建てた場合でお話しします。

    建物の相続税評価額は、固定資産税評価額と同じで、建築費の

    約60%になります。つまり用意した1億円を建物にすると評価額

    は6000万円になり、1億の財産が40%圧縮できたことになります。

 

    さらに、アパマンなどの貸家は、自用建物の70%で評価され、

    上記6000万円×0.7=4200万円の評価となります。

    結果的には1億の財産が4200万円の評価となり約60%圧縮

    できたことになります。(これは融資を利用して1億を支払った

    場合も同様の効果があります。債務控除)

 

    まとめ、(今回ケースでは)

    ・土地は21%の評価減(21%オフ)

    ・建物は約60%の評価減(約60%オフ)

 

     ☞財産の多い方の「相続税対策」としては、有効です。

     ☞賃貸需要の有無で成否が分かれる。

 

 

C、「貸す」... 定期借地権を利用して土地を貸す。

   効果として、

    借地権を付けた土地は、「貸宅地」として、自分の土地で

    あっても、自由に売ったりできないので、自用地より評価が

    下がります。

 

    一般定期借地では、自用地の評価額に底地割合を掛けた

    額が、その底地の評価額です。

    例えば、普通借地権割合70%(底地権割合は55%)の地域に

    自用地評価額1億円の宅地とすると、定期借地権設定後の

    評価額は5500万円となります。(45%オフ)

 

    (注意)定期借地権の場合は、設定時には評価減が高いものの

    借地期間が終了に近づくにつれ評価減0に近づきます。

    5500万円の評価だったものが、1億円に近づきます。

   

    まとめ、

    ・土地としての評価減は大きい。

     (しかし借地期間が終了する際には評価減がなくなる)

    ・建築費などの投資が無い分、安心。(当然、債務控除もない)

 

      ☞アパマン建築ほどの相続税対策は期待できない。

      ☞リスクを負わず安全に土地をのこすのに最適

       (キャッシュフローは常にプラス)

 

  こたえ、

  相続した親の家をどうするか? 選択A・B・C

  A・B・Cの選択として、

 

   A、今すぐまとまったお金が欲しいなら、

      ☞土地の売却

 

   B、強力な相続税対策を望むなら、

      ☞アパマン建築

 

   C、安全に土地をのこしたいなら、

      ☞定期借地権

   
     それでも選択に悩むときには、

     ABCそれぞれを比較検討することをお薦め致します。

      

 

 (ご興味を頂けましたらこちらの動画もご覧下さい。)

 

 

  

  

 

教えて... 定期借地権のリスクは何?

 

 お話を聞くと良いことばかりに聞こえる定期借地、

 リスクがあるんじゃないの??

 

 □ある土地所有者さんから、このようなご質問を受けました。

  下記に2つのリスクをお伝えします。

 

 ①貸地期間が長いこと、

 

   貸地上に、住宅を目的とした貸地の方法(一般定期借地権)

   で50年以上の貸地期間となります。

 

   この間は、地主である土地所有者から一方的に、途中解約を

   することができません。

   一度貸したら、50年続く訳です。

 

   「長く借りてくれて、収入もあってうれしい!」という思う反面、

   何かの理由から、ご自身で土地を使いたくなっても、叶わない

   ことになります。

 

 もうひとつは、

 ②子孫に、褒められることもあれば、叱られる可能性もある。

 

   どういうことかと申しますと、

   まず、貸地を開始したときに、土地を貸す「地代額」が決定します。

   (貸地期間中、地代改定をしない場合を想定します。)

 

   決定した地代額は、期間中変わりませんが、土地の地価には、

   変化が生じます。

 

   ・・・地価は、上がったり下がったりします。

 

   受領する地代には、「地代利回り」という考えがあります。

   これは、地代収入(年額)÷地価=地代利回り という計算に

   なります。

 

   例えば(当初)、敷地の一坪あたり、

   年間3万円の地代収入があり、地価が、一坪150万円であれば、

 

   3万円÷150万円=地代利回り  2%(年利)になります。

 

   この運用をしばらく続け、30年後に地価が、200万円/坪に

   なった場合、または100万円になった場合の地代利回りを

   見てみましょう。

 

   A、 3万円÷200万円(値上り)=1.5%・・・地代利回りの低下

 

   B、 3万円÷100万円(値下り)=3.0%・・・地代利回りの上昇

 

   この場合、30年経過後の子孫は、

   このようなことを言う可能性があります。

 

   A、「おじいちゃん、こんなに安い地代でなんで貸したの!!」と、

      文句を言う可能性があります。

 

   B、「おじいちゃん、よくこんな高い地代で貸したね。」と、

      褒められる可能性があります。

 

   このように、受領する地代が変わらない前提では、

   将来の子孫から発せられる言葉が、変わる可能性がある訳です。

   (せっかく子孫のことを思って、土地をのこしても言われることが

    あります。)

 

  (この対処法としては、)

   長い貸地期間の定期借地を組む際は、

   どんな目的で、貸すことを判断したかを伝承下さい。

   そうすることで、あとから、いろいろと言われなくなるものと

   思います。

 

 

   また、これとは別に、定期借地権を取組む際は、地代の

   途中改定を契約に、盛込むこともひとつの方策となります。

   (こちらは別の回でご案内させて頂きます。)

 

   是非、ご参考にして下さい。

 

 

   (もう少し知りたい方は、コチラの動画もご覧下さい。)

 

 

 

   

(世田谷区の農地)定期借地権を利用して子供にのこす

 

 世田谷区のある農家さんと、お話しする機会がありました。

 人気ある低層住宅地のほど近く、

 最寄り駅は、東急田園都市線の二子玉川駅や、用賀駅になります。

 

 このような都心部でも、今でもたくさんの農地がのこっています。

 

 お話しした農家さんは、ご夫婦で畑を維持していらっしゃいます。

 (お年は70代くらい)

 

 お子さんは、ご結婚前の女の子がいらっしゃるとのことですが、

 近い将来、どのように農地を維持していくかを心配してみえました。

 

 ご年齢、体力から、いつまで畑をやれるか、誰にどう引き継ぐか...

 

 (経験から、一つの事例をお話しさせて頂きました。)

 

 郊外で畑を維持してきたご主人のお話です。

 

 今まで、畑をご自身で維持してきたが、限界を感じているとのこと、

 体力的に厳しくなってきたとのことです。

 

 この方もお子さんは娘さんだけで、結婚して子供(孫)もいます。

 婿さんは、会社勤めのため、農地の跡継ぎはできないとのこと。

 

 色々と長い期間、考えていたようで、結果としては、

 農地としての維持が難しいからといって、土地の売却によって

 手ばなす(売却する)理由も理由もないため、

 管理する手間がかからない、定期借地を選択されました。

 

 (たくさんの会社から、賃貸アパートのお薦めをされているよう

 ですが賃貸アパートの所有は、好まないと言われています。)

 

 お子さんや、孫には土地をのこしてあげたい。

 収入をのこしてあげたい。と言われる反面、

 土地を売却しやすい状態(農地等)で、のこしておくことには、

 抵抗がある様です。

 

 (将来も売ってほしくない。とお考えのようです。)

 

 売却してほしくないと考える前提で、

 定期借地権を一旦設定すれば、長期間の収入が得られるという

 良い面がありますが、長い貸地期間中、土地所有者側(地主)からの

 途中解約は、原則的にできない状態になります。

 

 当然、途中で売却も叶いません。

 (底地として売却は可能ですが、土地利用ができない底地だけでは、

  安くしか売れない状況になります。)

 

 定期借地権の選択は、途中でやめられない。

 そのような意味で、ひとつのリスクになりますし、

 けっこうな覚悟が必要になります。

 

 将来に土地をのこしたい。と強く考える方にお薦めできますが、

 いずれ、売却したいという方には、気軽にお勧めできません。

 特長を理解の上で選択して頂ければと思います。

 

 

 (また、ご興味を頂ける方は、添付の動画もご覧下さい。)

 

 関連のHP