10月7日(土)~10月20日(金) 『新感染 ファイナル・エクスプレス』
【韓国発、パニックエンターテインメント映画誕生!】
世界中の映画祭で喝采を浴びた、『新感染 ファイナル・エクスプレス』。数年前にテレビドラマから始まった日本での韓流ブームは、今では映画、アイドル、ファッションなどでおなじみとなりました。『お嬢さん』、『哭声』、『アシュラ』など、日本でもヒットする作品が多く生み出されています。映画オリジナル脚本もあれば、原作・原案のある作品もあります。そしてそれらを演出していく、重要な監督の存在。韓国映画ではどのような仕組になっているのでしょうか?
■ 原作の取り入れ方
まず、韓国で映画を作る際は、小説や漫画などの原作があったとしても、それはあくまで原案・アイデアとして取り入れる程度で、内容的には“別物”といわれています。『弁護人』、『グムエル』、『シルミド』といった過去作品でも、興行ランキング上位に入っているのは原作がないものばかりで、原作があったとしても、それが売り上げの人気を左右することはないそうです。オリジナル脚本重視の韓国では、KOFIC(韓国映画振興委員会)やコンテンツ振興院といった場所で、脚本を募集しています。
■ 監督の立ち位置
日本では、テレビ局が企画・製作を主導し、テレビドラマの映画化、映画のテレビドラマ化がよくに行われています。韓国では、映画とテレビはほとんど接点がなく、「映画とテレビは異なる文化」といわれているそうです。韓国のテレビドラマは放送局の社員が演出をすることが多く、そのため映画の演出は出来ず、逆に映画監督はテレビドラマの演出をすることが難しいのです。ヒット作を生み出すことができないと映画監督は苦しい生活を余儀なくされ、次の作品を作ることも困難になってしまうそうです。それでもたくさんの若者が映画監督を目指すのは、そこに夢やロマンがあり、自分の作家性を世界に広められる可能性があるからではないでしょうか。
■ リアルさを追求する試み
『新感染 ファイナル・エクスプレス』では、韓国で実在する高速鉄道“KTX(Korea Train eXpress)”が、そのままの名前で“ゾンビ列車”となって登場します。KTXの設計図は入手することが出来ないため、実際に乗って採寸・観察を繰り返してセットを作成。駅は人の往来が激しいので、予備のプラットホームがある駅を探してセットを持ち込み、標識などを差し替えて撮影が行われました。時速300キロで移動するKTXを再現するために、列車セットの外側に「リアスクリーン」を設置。これにより、約300の巨大LEDパネルを組み合わせて、流れる風景や光を再現することが可能になりました。従来は、グリーンバックを設置して、後からCG合成が施されるのですが、照明を当てるとグリーンバックの緑色が役者の顔に反射してしまい、それを取り除く処理が大変になるので、リアスクリーンのアイデアが出たそうです。
各国の映画製作のシステムは、随分と違うように思えます。映画産業の在り方が、映画そのものにも影響を与えているのかもしれません。ただ、良い作品を完成させるために、監督をはじめとする製作スタッフがアイデアを出し合っていき、集まったアイデアを試し、それが成功したときの喜びは、世界共通のものだと思います。世界中、様々な映画製作環境の中で、素晴らしい作品が多く生まれています。塚口サンサン劇場では、これからも、世界中の作品を1本でも多く上映していきます。
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