今日から原節子特集始まりました!
漫画「動物のお医者さん」の漆原教授の大好きな女優さん
という認識しかありませんでした。しかもその認識すら忘れていて、
フィルムをつなぐ時、「あっこの顔見たことある!」で思い出しました。
節子様は品のある清楚な佇まいですが、
この2作品は清楚&コメディ、上品&悋気
という2面性があって見比べてみると比較が楽しい特集です。
まず『お嬢さん乾杯』

(C)1949松竹
自動車工場の成金(仕事熱心な朴念仁です)の石津君が、
お見合いでザ・お嬢様の恭子さんに恋をします。
恭子さんのスペックは高く、ピアノ弾けるし、控えめな大和撫子。
一方の石津君は教養がなく、飾り気が無く素直なもので、
開き直って「田舎者で、得意は金儲け」とか
空気を読まず言ってしまいます。
デートをしたり、プレゼントを贈ったり、石津君頑張ります!
恭子さんちのお財布事情だって一身に請け負う気満々です!
でも、それをオブラートに包まないので、周りドン引きだったりします。
お互いに知れば知るほど、育ちの違いが如実に出てきて・・・。
もう木下恵介監督の映画を何本か見ましたが、一番楽しい!
古い映画にありがちなゆっくりな展開ではなく、
場面の切り替わりがパッパッとしていて見ていて飽きないです。
石津君だめ~~~!そこ、空気読んで~~~~!!
って言いたくなるくらい、感情移入してしまいます。
俳優の表情にクスクス笑わされます。主役のふたりの演技も面白いですが、
節子様と脇役たちのドン引きの表情が、64年前でも現代と同じです(笑)
「うわ~・・・マジで~・・・」って顔で
今でも思い出し笑いしてしまいます!
しかもドン引きで苦笑(ひきつり込み)の節子様、中々見れない気がします(笑)
先日まで『静かなる決闘』の藤崎医師(三船敏郎)が
結婚したい男性NO.1でしたが、
石津君(佐野周二)が今週から躍り出ました。
あのイケメン医師を押さえる石津君の魅力は
是非スクリーンでお確かめ下さい!
さてこの作品は1949年制作です。
ひばりさんの『悲しき口笛』と同じ年です。
焼き直しているフィルムなので、つなぐのはそこまでの苦労はありませんでした。
ですが、やはり大元のネガフィルムが古いため、
1.傷が汚れがあります。
2.画面が揺れます。
3.フォーカスが甘い箇所がいくつか・・・。
音はノイズもありますが、『悲しき口笛』より聞き取りやすいです。
古いフィルムなので難点はございますが、
本当に面白い映画なのでぜひご鑑賞ください!
そして『女であること』はスタンダード上映です。

(C)1958TOHO CO.,LTD.
いつもの申し訳ないバリマスクについてはコチラ
こちらは前衛的な撮り方をする川島雄三監督作品。
ダンスホールのシーンを俯瞰で撮ったり、
玄関を高い位置に置いて、脇の階段の下から撮影したり
(どんだけローアングル・・・)
遠近感の取り方がハイセンスだったり、
もう、川島監督の目は取り外し可能なんじゃないか・・・とか思います(笑)
そして節子様の悋気を帯びた目!演技!
清楚な奥様が悶え苦しむ姿に色気を感じます。
この2作品!1日でご鑑賞いただくことをオススメします!
乙女とご婦人、女性のあり方を考えさせられます。
1日で2作品見ると1本目は1000円!2本目はなんと500円!
皆様のご来場と、「石津くんを応援する会」ご入会を心よりお待ちしております!