こんにちは、よら天子です
明日から『わが母の記』公開です
私は1ヶ月ほど前に、試写会で
鑑賞させていただいちゃいました
この作品を鑑賞後の感想は
(包み隠さず言いますと)
「あっさりというか・・・淡々とした映画だなぁ・・・」です
物語の核は「認知症の母親と
その母親に捨てられた記憶が拭い去れない作家」だと
思っていました。
なので、もっと人間的なドロドロした愛憎が前面に出てくると
思い込んで鑑賞したので、肩透かしを食らった感じでした。
でも、その後ずっと『わが母の記』の映像が
頭に焼き付いて離れないのです。
川の中に群生するワサビだったり、
ラストの浜辺での焚き火だったり、
薄暗い作家の部屋に遠慮しながら入ってくる母の姿だったり、
冒頭の雨のシーンで、母と息子の目での会話だったり。
風が吹いた時の木漏れ日、雨の匂い、本がたくさんある家の匂い。
私は「季節と匂いを感じる映画はなんかすごい」と勝手に思っています。
なのにその作品の感想が「あっさり」って・・・
おかしい何か見逃してる気がする
と思い立ち、
「アシーネ※」で原作を買いました
見事にいろいろ見逃していました
もうものの見事にありとあらゆるシーンの
「行間」が読めていませんでした・・・
ひとつだけ上げさせていただくと、
主人公と父親が手を握るシーン。役所広司の戸惑いと愛情とが
ないまぜになった表情、一瞬の体のこわばり・・・
三國連太郎演じる父の読めない表情。
小説の世界を見事に現していました。
役所広司だけじゃありません
樹木希林の段階を踏んだ「老い」の演技は見事で、
役者のすさまじさを感じました。
脇を固める役者陣もすばらしいです。
キムラ緑子の演技には笑わされ、泣かされます。
小説と少し違う設定なのに、
小説の世界観を壊していないところも見所です。
宮崎あおい演じる三女琴子。
中学生からだんだん成熟していき、
最後には結婚して落ち着いた20代後半期までを
細やかに見事に演じています。
長くなりましたが(いつものことですが・・・)
映像へのこだわりや、役者の演技の上手さが極上の作品なんです
ぜひ、この素晴らしい映画を映画館でご鑑賞ください
※さんさんタウン1番館6階の本屋さんです
映画の原作本コーナーがあったり、
読み聞かせのイベントをしていたりと、素敵な本屋さんです
サンサン劇場の半券を持っていくと、
なんとなんと文房具が10%OFFです
映画の待ち時間にぜひ覗いてみてください