小唄備忘録500番―その171「梅雨もよい」 | 江戸小唄と三味線のブログ

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梅雨模様、新緑の葉山の宿での情景を唄った小唄で、「雨も乙」「なまめかし」と、言外に二人の姿が浮かんできます。

 

「オヤほととぎす」が、唄・曲調とも興のある表現となっています。

 

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解説:「梅雨もよい(催い)」は、梅雨空模様。「軒の玉水」は、軒を伝わって落ちる雨だれの音。

 

「葉山の茂り」は、新緑に包まれた葉山で、この唄は作者が葉山に逗留した時に作られたとされています。

 

「梅雨もよい」、催(モヨ)いというのが、不安定でこれからの何かの気配を感じさせます。昔の雨は、人の情感を誘い様々な名前も付いていましたね。

 

「ホトトギス」は「鳴いて血を吐く・・・」というように、色恋の小唄の定番です。
 

「オヤ・・・」からの変調が、事の変わりを匂わせていて、唄・三味線ともに気を遣うところです。

 

大正時代 大槻正二作詞作曲

 

小唄備忘録500番―その171「梅雨もよい」(2分12秒)

 

画は、伊東深水「梅雨」と岡本豊彦「雨中時鳥図」です。写真は1914年(大正3年)の葉山(葉山市郷土史研究会より)です。