とはずがたり
~庭の花たち~
朝、目を覚まして庭に出ると
あまくやさしい匂いが頬を掠める
ゆきえが手入れしている庭に
たくさんの花が咲いている
歳を重ねても
嫌なことはたくさんあるし
それをひとつひとつ塗りつぶしていかなきゃならない
若いころと何一つ変わらない
変わったことと言えば
限りある中で生きていかなければならないということを
実感していること
美しい花になるならば
それを咲かせる土になれ
と、誰かが言っていた
もう、その、どちらになることもできないけれど
朝、庭に出るたびに穏やかな気持ちになる
それは、間違いないこと