TS-700Sの修理
ローカル局より周波数が表示されないとTS-700Sを2台預かった。
状態を確認すると両機ともディスプレーが消灯しており、1台はCALL CHボタンを押すとC145.00が表示される。
症状から判断するとディスプレーユニットは生きているのでVFOが発振停止状態と思われる。
サービスマニュアルをダウンロードして確認すると2SC460Bが使用されており、他のユニットも含め合計30個確認できた。
以前自分のTS-700GⅡをレストアした際にhFE低下でこのトランジスターを全交換した経験があり、かなり難航しそうな気配。
取りあえずVFO本体を取り外すことにする。
VFO本体にアクセスするとシールドケースを固定するビスが一本なくアースラインが2本浮いており修理した気配がある。
VFO本体を取り外しシールドケースを外して確認すると2SC460の代替に交換してあるが、エミッターとベースが2本とも逆接続してありこれでは発振しないのもうなずける。取り外して新しい代替品2SC2839Eと交換する。
VFOに電源と出力RACプラグを接続して確認するがディスプレーに周波数は表示されない???
電源を確認するとVFOモードで数mVのみ。9V来てないといけないのだが???
電源ユニットを確認すると9V系・20V系とも若干ずれはあるが出ているので規定値に調整する。
いろいろ試していると固定CHの11チャンネルで9Vが出ているのを確認した。
ダイアルがずれて取り付けられていた。
念のためVFO本体に9V印加してVFOが発振するかRFVTMで確認する。→OK
本体にVFOを戻してからダイアルを回すがスムーズに周波数が変わらない。
エアバリコンの接触不良のようだ。
再度VFO本体を取り外してパーツクリーナーで洗浄すると嘘のようにスムーズになりVFO本体を戻してVFO関係は解決した。
ディスプレーがちらつくのカカウンターユニット・HETユニットの2SC460も代替に交換行った。
この時点で送受信確認を行うとFMの復調が出来ない・スケルチが閉じるのが3時・センターメーター不良・Sメーター振りっぱなし等が確認できた。送信については電波が出てるのみ確認し詳細は後ほど。
FMの復調・スケルチ・センターメーターに関してはFMユニットの2SC460・2SC458の交換及びVR調整対応。
Sメーター不良はRXユニットのVR調整で解消。
センターメーター不良は動作するが可変抵抗のがりで調節不能で代替手持ちがなく
使うこともないと考え放置する。
スケルチは2SC733が不良と思われるがこちらも代替手持ちなくこのままで使ってもらうことにした。
照明が切れていたのでドナーから頂き交換
送信に関しては出力が7w程度のため調節して既定値10w確認。
RFメーターが振り切り状態のため適正指針に調整。
SSBキャリア漏れ調整も行うが未だ若干漏れているが許容値と思われる。
受信感度は自分のTS-2000Sと泣き合わせても遜色ないので問題ないと思われる。
なにしろこの時代のリグはコネクター接続でないのでユニットを完全に外すことが出来ないため修理に骨が折れる。
このため完全にオーバホール出来ていないが使えるレベルなのでこれで終了にした。
もう1台の機械で修理を開始していたが、(送受可能になったが送信出力が2W位
しかでない。恐らくファイナル不良が原因と思われる。)途中からこちらの機械で
修理することに変更したためVFO本体・カウンターユニット・FMIFユニット
はこちらの機械に移植して使用した。何とか使えるようになり良かったです。
それでは GOOD LUCK AND GOOD DX!