またまた久しぶりの更新です。

以前にFT-920及びFT-450Dでリモート運用システムを構築したが、コントロールソフトの使い勝手があまりよくなくリモートを中断していた。
昨年夏にTS-2000Sを入手することができ、TS-2000Sには専用コントロールソフト(ARCP-2000)があり、こちらは優れものですべての操作をPCで行うことができるため満足できるリモート局を構築することができた。
最近のHFバンドのPropagation低下には閉口するものがありV・UHFでローカルラグチューに始終している現在では、好きな場所からQRVできるので非常に重宝しています。

これから簡便なリモート運用のシステムの構築を考えられているOMの参考及び自分自身の備忘録で概要を書いてみます。

準備編
・PC関係は送受信機のコントロールを行うサーバー用PC及びサーバーを操作するクライアントPC又はスマホ・タブレットが必要です。
サーバー: OS Windows10,CPU  Quad Core Q5500(2.8G)、メモリー 4G
クライアント:iPad AIR2及びiPhone6 の構成です。

(TS-2000Sをサーバーに接続した画面)
・ソフトは送受信機を制御するARCP-2000をサーバーにインストール、遠隔操作及び音声転送ソフトをサーバー用PC及びクライアント双方にインストールします。
遠隔操作ソフト:TeamViewer
音声転送ソフト:Skype

(TeamViwer)

(Skype)
・PCと送受信機の接続はRS232Cケーブルを用います。最近のPCはRS232CポートがないPCがほとんどなのでUSB変換する必要があります。
音声関係のケーブルについては受信音はTS-2000Sの外部スピーカー端子からサーバー用PCのLINE INにそのまま入れます。
送信音については、サーバー用PCのスピーカー端子からTS-2000Sのマイク端子に入れますが、スピーカー端子が8Ωマイク端子が600Ωのためインピーダンス変換が必要です。
また、TS-2000SへのPCからの電気的アイソレーション及び送信機からの回り込みを減らすため1:1のトランスを経由して接続します。

(RS-232C及びEXT SP)

(アルミホイルにくるまれた片方がインピーダンス変換・他方が1:1トランスです。

回り込み対策でビニールでくるんでその上からアルミホイルを巻きシールドに

密着させてインシュロックで閉めます。ケースを使えばいいのですが費用も

かからず効果絶大です!入・出力はパッチンコアを入れます。)


・無線機の電源関係の制御はOAタップを用いPCと連動してONになるタップを用いて
定電圧電源内に電源スイッチをスルーして電源がONになるようにリレーを設置してON
OFFを制御します。(OAタップに定電圧電源を接続するだけでも制御できますが、ハイパワーで運用される場合は容量不足になります。)

・ソフトの設定に入ります。
遠隔操作ソフト:TeamViewerはサーバーではPC起動時にTeamViewerが起動するよう設定します。さらにサーバーを外部から起動できるようにWake on LANを使用するよう設定します。LAN内での使用はサーバー用PCのIP Adressを固定します。WANから起動する場合はGlobal IP Adressが変わることがあるのでDNS(Dinamic Number Service)を取得してサーバー用PCを特定させます。ポートを開ける方法は通信会社によりそれぞれ異なりますので割愛します。
音声転送ソフト:Skypeはサーバー側は着信時自動通話開始するよう設定します。アカウントはサーバー用・クライアント用それぞれ必要です。

(Wake ON LANが実行できるPCはLANケーブルでインターネットに接続されておりBIOS及びLAN CardでWake ON LANを使用できる設定ができるものになります。)

・接続及び設定が完了したら実際に稼働させて受信・送信をテストします。
特に送信に関してはSkypeがCompressionが高いので音声レベルの調整をモニターしながら念入りに行う必要があります。(送信機のマイクゲンイ・サーバーPCのスピーカーレベル・Skypeのマイクゲンイの3カ所を調節して最良のポイントに設定します。)

(スマホでも問題なく交信できますが、タブレットの方が操作性が良いです。)

 

(実際の交信の一部のご紹介)

 

以上で簡便なリモート運用が可能になります。私はV・UHFはアンテナがGPなので回転させる必要もありませんがローテーターを使われる方はさらなるシステムが必要になります。

便利な時代になったものです。自分が無線を始めた70年代では逆立ちをしても考えられないことが今ではできる世の中になりました。
でも無線の醍醐味は実機を操作しながら交信することだと思いますが、離れのシャックが寒すぎるときは自宅で暖をとりながら交信できるので有り難い限りです。

それではGOOD LUCK AND GOOD DX!