あけましておめでとうございます。

今回も久々の更新です。

 

年末に 7/21/50/144/430MHz用のモービルホイップを調達しFT-450DMで車から運用を開始しました。

このFT-450Dは自宅ではリモート局用にパソコンに直結してあったもので、最近リモート運用をしなくなり空いていた無線機。

実際に運用してみると送信は問題ありませんが、50MHzの受信感度がやや悪いように感じます。

SSGがないので数値では判りませんが、距離にして1kmも離れていない10w局を受信してもSメーターが9に満たない状態です。

7MHzでは6や8エリアの局ががんがん入感しており+50dBまで振る局もあります。

 

修理が必要なのでサービスマニュアルを入手しようとネットで探しますが、FT-450のものは入手可能ですがFT-450D用は入手できそうにありませんのでFT-450用で代用してチェックしてみました。

ブロックダイアグラム(RF-IF UNITのBPFまで)

 

まずはブロックダイアグラムで受信系統をアンテナ側からトレースして50MHz専用の回路があるのは、BPFですのでこの部分のスイッチングダイオード破損やコイルの焼損とと当たりをつけました(ATUの不良はON・OFFに関わらず信号強度は変わりありませんので除外できます。)が?

50MHzのバンドパスフィルター回路です。黄色の部分をチエックします。

 

最上段が50MHzのバンドパスフィルター部です。

早速、回路図とPCBパターンと実際のPCBを見比べるとFT-450もFT-450DもBPFのあたりまでは全く同じようです。
スイッチングダイオードはテスターで順方向と逆方向の抵抗値を測定します。チョークコイルもテスターで導通をチェックします。

結果50MHz部分及び他のバンドも全く問題ありませんでした。はてどうしたものか???

 

RFアンプは全バンド共用で受信・復調は可能なのでBPF以外は考えられないのですが???
全バンドで感度低下ならばRFアンプや受信最前段のSurge protection diode(クランプダイオード)辺りなのですが???

 

あれこれと悩んでいると。あるOM局のブログにFT-450の受信感度低下の記事があり、FT-450がSurge protection diodeにLEDを使用しており過大入力で容易に焼損することが書かれていました。

 

この部分がSurge protection LEDです。

 

左中央の2個並んだチップがLEDです。

 

取り外した状態

 

自分のリグはLEDが焼損した様子はないがチェックしてみるとD2002のオープンが判明した。

 

取り外してダブルチェックすると抵抗値順・逆方向とも∞台 = オープン状態

 

リモート運用専用機でアンテナは常時接続した状態。他の送信機で近接したアンテナから200W送信をすることがあり、おそらくはそれが原因でダイオードを破損したのだろう。

 

Surge protection diode不良のまま、他の送信機で5W送信を行い受信(アンテナはオープン)するとSメーターは4程度だが、ダイオードを取り除いて同じ条件で受信すると+60dBでスケールアウトになるのでこれが原因であることが判明した。

 

OMのブログではLEDを1N4148小信号用スイッチングダイオードに交換されておられたのでその通りに換装することにした。
順方向耐電圧から計算するとおよそ+86dB以上の入力はキャンセル出来ると思われるのでまずまずと思われる。

 

手持ちがないのでアマゾンで10本198円(送料込み)を発注し、届くのを待って換装を行い正常に受信可能となった。

 

 

解せないのは、なぜ50MHzのみ受信感度の顕著な低下が認められたのだろうか?
VHFはHFに比べ減衰が大きいためか? 疑問が残る修理であった。

 

とにかく使用しないリグのアンテナは外しておくのが基本と痛感した出来事でした。

 

              それでは GOOD LUCK AND GOOD DX!