昔の記憶が甦る。年の離れた従兄が、か細い声で私に言った「今年はお小遣いあげられなくてごめんね」そしてまもなく亡くなった。優しかった笑顔と、痩せてしまった顔。どちらも間違いなく従兄だった。

そしてまた同じ夏が来た。あの時の私と同じように、これから夏が来る度に、親戚の子ども達も主人を思い出してくれるだろうか。