おじさんが腎臓ガン。
誰かが死んだときにしか会わない人だった。
この間、部屋の片付けにいった。
2部屋の小さな間取り。
ベッドで一日中テレビを観て過ごしていたみたい。もうすぐホスピスにいくんだって。病院に戻る車椅子に乗せられたおじさんは白い大きな猿みたいだった。もう自分の家に帰るのは最後ってわかってたのか、最低限の必要なものと仏壇にあった過去帳を動く手のほうでかき寄せた。
なんか胸をつかれた。
どんな人かも知らないけど、おじさんがどう生きてきて、どう死にたいかを選択した生きざまを部屋の隅に感じたとき、私の心の奥でビリッと何かが反応した。
まだ今は気づかないふりをして私は片付ける手を急いだ。