最近、お茶に凝ってます。
と言いましても、表千家やら裏千家やらではなく、
マイ煎茶道。
仕事の合間、ちょっとだけ真剣に淹れてみると、
びっくりするほど美味しかったので、それ以来
どんどんと深みにはまっていっております。
まず、愛用の器から。
これは、その昔、先輩の牧師からいただいた
丹波立杭焼の急須です。
お父様が骨董屋さんを営んでらっしゃいまして、
故あってお店を畳まれるにあたり整理していた
もののひとつを、いただきました。
長らくしまっておいたのですが、このたび初登板。
宝瓶(ほうひん)と呼ばれるタイプで、一人分を
淹れるのにベストサイズ。
淹れにくいように見えますが、実は最後の一滴
まで残さず淹れることができる優れモノです。
もうひとつ急須。
これは、器の店『三島』さんで買いました。
焼き締めの横手形急須。煎茶淹れるには
定番と言えます。
小さいけど、中の網の目も非常に細かいので、
茶葉が目詰まりすることはありません。さすが。
ちなみに、我々にはなじみ深い横手形急須
ですが、日本と韓国にしかないそうです。
続いて湯呑です。
これも、『三島』さんで購入しました。
普通、煎茶やら玉露やらを淹れる際には、
もっと小さな磁器なんぞがありがちですが、
僕は陶器が好きなので、これでよしです。
これも湯呑。
写真の腕がよろしくないので、ちょっとわかり
づらいかと思いますが、雪のような肌に貫入が
細かく入りめぐらされています。
僕と同姓同名の横山拓也さんという陶芸家の
作品です。
去年の誕生日にいただきました。
てな感じで、男の趣味はまず道具からって
わけです。
では、早速お茶を淹れてみましょう。
急須と湯呑を用意。
なんだか名コンビっぽいですね。
ティファールでさっと沸かしたお湯約60mlを、
まず宝瓶の急須のほうに入れます。
これで5℃くらい温度が下がり・・・
それを、湯呑にうつします。
これでまた5℃くらい下がります。
本当は、湯ざましを使うのが一番だと思いますが、
まぁこのように急須と湯呑でも代用可能です。
タイマーで5分待ちます。
湯ざまし時間は、茶葉の種類とかその時の
気分とかによっていろいろ変えると楽しいです。
その間、急須に茶葉を入れます。
茶さじ大盛り一杯、だいたい5gが僕のちょうど
良い量です。
ちなみに、カレースプーンだとすり切りあたり。
今日のお茶は、八女茶(福岡県)です。
計ってみたらば、5.1g・・・お、惜しい!
ひたすら待ちます。
5分過ぎたら、急須にお湯を注ぎます。
できるだけ、そっと優しくね。
この時点で、だいたい60℃くらいになってます。
ふたをして一分間、わくわくしながら待つのじゃ。
一分後、なんとなく茶葉が開き気味になって
きたら、良い感じです。
このときは、かなり開き過ぎちゃいました。
(写真撮りながらだったので・・・)
ところで、金属の茶こしに抵抗のある方も
いらっしゃるのではと思いますが、科学的には
まず完全に無害と考えてよろしいでしょう。
気になる方は、アルミよりもステンレス、チタン、
完璧を求めるならプラチナではいかがでしょうか。
生体への影響が限りなく0に近いので。
・・・って、そんな茶こし、世の中になかろうが。
(銅製はやめときましょうね)
まー、金属の無機質な観た目が若干興をそぐ
のは否めませんね。
でも僕としては、いろいろ試した結果、茶葉が
必要以上に開かないために茶こしの囲いは
あったほうがよいです。
茶葉が開きすぎると、カテキンのせいで渋みが
増してしまいます。
注ぎまして・・・
やっと飲めます。
実際の色は、写真よりももうちょっと緑色寄り。
薄い山吹色に近い緑色ってところでしょうか。
緑の恵みを感じる瞬間ですね。
ふぅ~ 美味しい
さて、そもそもお茶は5000年前に中国で生まれ、
世界各地に広まっていきました。
日本に伝来したのは、1200年ほど前。
遣唐使が中国から持ち帰ったのが最初らしいです。
今僕たちが飲んでいる煎茶が普及したのは
江戸時代以降なので、わりともう最近のことですな。
中国茶や紅茶は発酵(微生物の代謝による醗酵
じゃなく、お茶の場合は酸化のこと)させてその
味と香りを醸し出すのに対し、日本茶は全く発酵
させません。
それで、独特の爽やかな香りと、グルタミン酸の
深い味わいとが楽しめるわけです。
今は、最も身近な日本茶にハマっていますが、
これからできればアジア各地のお茶、そして紅茶
にも手を広げていきたいなー。
いろんな味に触れることで、それらを育んだ土地の
風景や人々の息吹、異なった文化同士の交流の
歴史に思いを巡らすことができます。
つまり、小さな事務所に居ながらにして、
世界旅行&タイプスリップな気分ってことさ^^
ぜいたくだね!