最近、新聞紙上をちょいと賑わしておりました
「ホメオパシー」。
褒めておかしくする、あるいは追い込む
「ホメゴロシー」とは違います。
内容を中途半端に書くとアレなのでスルーしますが
(皆さんご存知でしょうから)、実体として現象が存在
するか否かで言えば、当たり前ですが、否です。
冗談は名前だけにしろよ!・・・いや、冗談で済んでいる
うちは良いのですが、インチキのために、幼い命が
危機にさらされることもあるそうで、阪大の菊池先生
ならずとも心配になります。
しかし、インチキであるならなぜ多くの人の支持を
得ているのだろうか?という疑問も当然出てきます。
ド素人なりに、行列の心理だなんだと簡単に片づける
こともできそうではありますが。
以前、とあるバイオ系の会合で、某大手製薬会社の
研究者の方と雑談しておりましたおり、よく言われる
「フラセボ効果(偽薬効果)」のパワーについて、
興味深いお話をおききしました。
疾患を持つ被験者に対して、何かの単なる無害な粉を
カプセルに入れ、名医の開発した画期的新薬ですよん
と言って飲んでもらうと、被験者のうち約3割に一時的に
せよ明らかな数値的改善がみられるのだそうです。
フラセボ侮りがたし。
もちろん、実際の新薬の効果を確認する際には、被験者
のみならず観察者のバイアスをも避けるため、二重盲検法
などでの厳密な治験が行われています。
(…のはずですが、製薬会社で治験をしている別の知人
からきいた「漢方薬」の治験の実態はけっこうショックでした><)
というわけで、思い込みだけで単なる粉が魔法の薬と
化すのですから、まるっとインチキなホメオパシーやら
気功やら波動やら血液サラサラやらが流行するのも、
不思議ではないかもしれませんね。
しかも私たちの健康・長寿への欲望は果てしないので、
「代替」とか「天然」「オーガニック」「自然治癒力」などと
サブタイトルを変えつつ、新手がどんどん出てきます。
これらに共通する特徴は、小泉純一郎ばりの煽情的な
ワンフレーズです。
たとえば、お薬とは違いますが、天然醸造をうたい文句に
するお味噌を宣伝する際に、酒精を入れて発酵止め処理を
行った一般のお味噌を「死んだ味噌」として揶揄するなど。
これなどまさに、卑怯千万と言えましょう。
かく申す僕が信じているキリスト教の世界でも、たまに
インフルエンザのように流行する「癒し」というモノがあります。
今から20~15年ほど前に流行ったときには、バブリー
な世相を思い切り反映しておりまして、大きな球場とかに
大勢の観衆を集めたパフォーマンスが盛んでした。
(「リバイバル」と称して、そこで一挙に信者を獲得しよう
という安直な発想だったのですが、まさにバブル期って
感じですねぇ…世間ではもう弾けてましたが)
アメリカからやってきた牧師が、マイク片手に目を閉じて
天を仰ぎ、人々の病気や障害が癒されるようにと祈る
という感じでしたかな。うさんくせ~
それで、治ったとか状態が改善されたというのが、
神による奇跡の証しとして喧伝されたりなんかして。
前述のフラセボの効果の割合からすると、約3割くらいは
そういう人が出てきたんでしょうかね。
でも、ほんの数年でまったく下火になってしまい、後に
なんにも残らなかったばかりか、教会内に不幸な分裂を
もたらしてしまったことが、その狂騒の本質を物語っています。
身内の恥をさらしてるようで心苦しいが、このような醜悪な
実態も、まぎれもなく我が愛するキリスト教会の一部なので、
直視しなくてはなりません。
若かりし僕は、「信じられない!」と公言してはばからなかった
せいで、不信仰だと非難されることもありました。
僕が言いたかったのは、
「全能にして愛の神が、手品のように人の人生を
もてあそぶはずがないので、あんなことは信じられない」
ということだったのですが、本当に起こってるんだからと
叫ぶ人々には、そのレベルの話は通じるはずもありません。
(というか僕、えらく大人びた少年だったんですねぇ…)
どこの世界にも、美辞麗句で飾ったインチキでひと儲け
してやれという腐った輩はいて、そういう一部の人に我々は
たやすく踊らされる可能性があります。
難しいかもしれないけど、感性と知性を研ぎ澄ませて、
踊らされないでおきたいものです。
おっ!久しぶりに真面目な長文書いちゃった