こんにちは。
眼形成外科医の前田朋之です。
今回は、アップニークについて解説します。
アップニークは、後天性眼瞼下垂に対して使われる点眼薬です。
正式には、アップニーク®ミニ点眼液0.1%という医療用医薬品で、有効成分はオキシメタゾリン塩酸塩です。日本では後天性眼瞼下垂を効能・効果として最近承認され、通常は成人に1回1滴、1日1回点眼する薬とされています。
眼瞼下垂というと、これまでは手術のイメージが強かったと思います。
アップニークは、まぶたの中にあるミュラー筋という筋肉に作用して、まぶたを一時的に持ち上げることを目的とした点眼薬です。

つまり、簡単に言うと、
目薬でまぶたの開きを少し改善する治療
です。
手術とは何が違う?
アップニークは、まぶたを切ったり縫ったりする治療ではありません。
そのため、手術のような腫れや内出血、ダウンタイムは基本的にありません。
しかし一方で、効果は限定的で一時的で、数時間程度です。

図のMRD1(眼瞼下垂の指標と考えてください)を1mm程度上昇させる効果があるとされています。
※手術ではだいたい平均して3-4mm程度改善します
よって眼瞼下垂そのものを根本的に治すというより、点眼している間、まぶたの開きを補助する治療と考えるとわかりやすいです。
どんな人に向いている?
アップニークは、主に後天性眼瞼下垂が対象です。
たとえば、
・加齢でまぶたが下がってきた
・コンタクトレンズ使用などでまぶたが下がってきた
・手術までは考えていない
・まずは点眼で変化を見てみたい
・大事な予定の前に少し目を開きやすくしたい
このような方では、選択肢のひとつになることがあります。
ただし、すべての眼瞼下垂に効くわけではありません。
皮膚のたるみが強い場合、先天性眼瞼下垂、神経や筋肉の病気が関係する眼瞼下垂などでは、適応を慎重に判断する必要があります。眼瞼下垂は脳神経・神経筋疾患・眼窩疾患などが背景にあることもあるため、まずは診察で原因を確認することが大切です。
注意点
アップニークは新しく便利な薬ですが、自己判断で使う薬ではありません。
眼圧、緑内障、血圧や心血管系の病気、ほかの点眼薬との兼ね合いなど、確認が必要になることがあります。米国添付文書でも、心血管疾患、未治療の狭隅角緑内障、複数点眼薬との使用間隔、コンタクトレンズ装用時の注意などが記載されています。
また、眼瞼下垂を根本的に改善するには手術が必要です。
まとめ
アップニークは、後天性眼瞼下垂に対する新しい点眼治療です。手術ではなく、目薬でまぶたの開きを一時的に改善する選択肢が増えたことは素晴らしいことです。
一方で、すべての眼瞼下垂に合うわけではなく、根本的な治療には手術が必要なことは変わりません。
「まぶたが重い」
「目が開きにくい」
「手術以外の選択肢も知りたい」
という方は、まずは眼科で相談して、自分の眼瞼下垂の原因を確認することが大切です。
まぶた・涙道・眼窩の病気や手術について、患者さんにとってわかりやすい情報発信を心がけています。
本ブログの内容は一般的な医療情報であり、個別の診断や治療方針は、症状や診察所見によって異なります。
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