かぜ薬や胃腸薬と並び、市販薬でよく購入される解熱鎮痛薬
みなさん、テレビCMや広告を見てイメージだけで解熱鎮痛薬を選んでいませんか?
よく利用する頻度が多い分、
自分に合ったおくすりや正しい選び方が重要になってきます。
解熱鎮痛薬は選び方を間違えると肝機能障害や腎障害といった
重い副作用が起こることもあります。
まずは、解熱鎮痛薬がどのような働きをするか、どんな成分があるかを知りましょう。
解熱鎮痛薬とは
発熱と痛みをしずめる対症療法の医薬品です。
対症療法=症状をおさえたり、緩和させること
*症状自体や原因そのものを治療するものではありません。
解熱鎮痛薬の剤型はさまざまで、「錠剤」、「カプセル」、「顆粒剤」、「細粒剤」など
効き目の早さや持続性によって選択できます。
効能効果は「頭痛、歯痛、抜歯後の疼痛、咽喉痛、耳痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩こり痛、打撲痛、ねんざ痛、月経痛(生理痛)、外傷病の鎮痛、悪寒、発熱時の解熱など」多岐にわたります。
いろいろな症状を書き出しましたが、
要するにあらゆる痛みと風邪による熱さましに効果があります。
これは、痛みと発熱がプロスタグランジンの産生に大きく関与しているからです。
しかし、解熱鎮痛薬の効能効果には腹痛が含まれていません。
なぜなら、腹痛を含むけいれん性の内臓痛は
痛みの発生の仕組みが異なり、これらは副交感神経に関係しているからです。
解熱鎮痛薬には腹痛や内臓痛をしずめる
抗コリン成分は含まれていませんので別の医薬品を使用する必要があります。
解熱鎮痛成分のはたらき
解熱鎮痛薬に配合されている成分には共通した2つの作用を持っています。
1.プロスタグランジンの産生をおさえる
2.脳の中枢における痛みの伝わりをブロックする
1つ目の作用は、プロスタグランジンの産生の抑制です。
プロスタグランジンの産生が活発になると、
痛みを増強させ、温熱中枢での体温調節よって高熱になり、炎症を強くさせてしまいます。
解熱鎮痛成分を服用することによって、
このプロスタグランジンの産生をおさえることができます。
結果、痛みがしずみ、体温が下がり、炎症をおさえることができるのです。
2つ目の作用は、脳の中枢における痛みの伝わりをブロックすることです。
解熱鎮痛成分が間脳にある視床という部位に働きかけ、痛みの伝達をブロックします。
これによって、痛みを感じにくくさせるのです。
大正製薬の「ナロンエース」のキャッチコピーにも、
「痛みのもとと伝わりをダブルブロック」とあります。
この製品は、1つ目と2つ目の作用をうまく利用した処方となっています。
解熱鎮痛成分
一般用医薬品(市販薬)で使用されている解熱鎮痛成分は
たくさんあるわけではなく、大きく分けて4つに分類されます。
・サリチル酸系
・アニリン系
・プロピオン酸系
・ピリン系
各分類の成分は以下になります。
サリチル酸系:「アスピリン」、「エテンザミド」、「サザピリン」
アニリン系:「アセトアミノフェン」
プロピオン酸系:「イブプロフェン」、「ロキソプロフェンナトリウム」
ピリン系:「イソプロピルアンチピリン」
各成分の作用や特徴については、別の記事で詳しくまとめたいと思います。
解熱鎮痛薬に配合されているその他の成分
解熱鎮痛薬には、解熱・鎮痛各作用を高めたり、
補助する目的で他にも何種類か成分が含まれています。
・鎮静成分
・カフェイン
・生薬
・制酸成分
ひとつずつ見ていきましょう!
鎮静成分
鎮静成分には「アリルイソプロピルアセチル尿素」と「ブロモバレリル尿素」の2種類があります。
これらの成分は脳の興奮を静めることにより、
痛みを感じにくくする働きを持ち、
鎮痛成分を助ける目的で配合されています。
副作用として、眠気が起こることがあります。
眠気は約20~30分後にあらわれて、
約3~4時間持続すると言われているので、
クルマの運転や機械の操作は服用後ひかえてください。
もしくは、眠くなる成分が入っていない解熱鎮痛薬を選びましょう!
また、どちらも依存性がある成分として知られています。
*長期連用は中毒になる可能性がありますので、使用回数には注意してください。
アリルイソプロピルアセチル尿素とブロモバレリル尿素では、
ブロモバレリル尿素の方が、依存性が高いとされています。
そのため市販薬では、安全を考慮してアリルイソプロピルアセチル尿素を使用した製品が多くなっています。
鎮静成分の名称はカタカナが多く難しいので、
覚え方は「○○尿素」
最後に尿素がつくものが鎮静成分と覚えましょう!
そして、選ぶならブロモバレリル尿素より依存性が低い
アリルイソプロピルアセチル尿素(覚え方はアセチル尿素)の入ったものにしましょう。
カフェイン
カフェインは脳を覚せいさせることで頭をすっきりさせ、
熱や痛みによる「疲労感」や「倦怠感」をやわらげる目的で配合されています。
カフェインはよく眠気を解消させる効果があるとされていますが、
解熱鎮痛薬に鎮静成分が一緒に含まれている場合は、
眠気を覚ますほどの効果は期待されません。
生薬
先ほど挙げた、化学的に合成された成分(アスピリンなど)と解熱・鎮痛作用が異なるものとされています。
化学的な成分を使用できない年齢やアレルギー体質、副作用を懸念される方は
生薬のみで構成されたものが使用できます。
解熱生薬:「ジリュウ」、「ケイヒ」、「ショウキョウ」
鎮痛生薬:「シャクヤク」、「ボタンピ」、「カンゾウ」
制酸成分
解熱鎮痛薬を使用すると、プロスタグランジンの産生が抑制されて
胃粘膜が荒れてしまう場合があります。
制酸成分は、胃酸の出過ぎをおさえて
胃障害を緩和させる目的で配合されています。
主な制酸成分は「ケイ酸アルミニウム」、「酸化マグネシウム」、「水酸化アルミニウムゲル」、「合成ヒドロタルサイト」などがあります。
鎮静成分や制酸成分など、どの成分も解熱鎮痛成分の補助が目的ですので、
他の医薬品で主成分として使用されているような強い効果はありません。
いかがですか?解熱鎮痛薬とは何かわかっていただけましたか?
解熱鎮痛薬の働きは2つあって、「プロスタグランジンの産生の抑制」と
「痛みの伝わりをブロックする」作用です。
これにより、熱と痛みと炎症が緩和されます。
そして、主成分となる解熱鎮痛成分は
「サリチル酸系」、「アニリン系」、「プロピオン酸系」、「ピリン系」の
大きく4つに分類され、それぞれの効果を高めるために
補助成分が配合されています。
もし、手元に解熱鎮痛薬がありましたら、
成分表示を見て、どんな成分が配合されているか、確認してみましょう!