前回現在の日本の人口ピラミッドがゾッとする話を投稿しましたが、補強する意味で高度経済成長期の人口ピラミッドを探してみました。
そしたら良いのがあったのでご紹介します。これは現日銀総裁の黒田他岩田規久男とかのリフレ派が
散々ディスってた前日銀総裁の白川さんの資料です。
「人口動態の変化とマクロ経済パフォーマンス:日本の経験から開会挨拶」(金融研究/2012.10)
日本銀行総裁 白川方明
https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk31-4-2.pdf

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ね、高度経済成長は人口増によって実現出来た事が判るでしょ。
メカニズムはこんな感じでしょう
①人口が増える
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②政府の公共インフラ投資や企業により雇用が生まれて、家計が潤う。
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③家計の需要=住宅や家電、自動車などの購買意欲 が生じる。
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④メーカー等企業の生産・供給が増える。同時に企業による雇用も増えて家計がより潤う。
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⑤消費者意識の向上と日本企業の「物作り精神」から、安くて高品質なジャパニーズブランドが生じる→企業は輸出でも儲かるようになって利益をより上げるようになる。
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⑥労働争議時代の結果、労使間で適度な緊張関係が生じ、企業利益が適正に(正)社員に還元されるようになる。
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⑦家計が潤ってより需要が生じる。
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⑧この間も人口が増え続けて需要が増え続ける。
→②に戻ってプラスのスパイラルが生じる。
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でも、現状は人口減と家計がお金を使わ(”え”かも)ないから需要が生じず、デフレ(供給>需要)から脱却出来ない現状があります。
浜矩子はマイナス金利とか続けてるから、家計にお金があっても貯金の投資先が無くてタンス預金と化して、「経済の地下化」が生じてると指摘してました。私もお金が余ってたら金でも買いたいと思ってます(お金無いから買えないけど)。
金融政策の常道では、通貨供給量が増えれば需要が増える事になっていますが、今、お金がジャブジャブ余ってるのに一向に需要が増えないのは、余ったお金を企業が内部留保しちゃうのと家計がタンス預金化して、投資や需要に回らないからなのです。(法人税減税は良いけど、内部留保には課税しちゃうとか出来ないんだろうか?)
非正規・低賃金短時間労働者が増えて貧困化してるのも大きいと思う。
あと、この少子高齢化社会の中で、介護士、保育士の賃金水準は酷すぎると思う。誰が決めたんだ?!せめて小学校の先生くらいないとおかしいだろ。因みに各年収水準はこんなだそうです。(出典は諸々より)
・介護士30~34歳378万円
・保育士36歳で326万円ほど
・小学校教員35歳で年収560万円程度
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私が好きなクルーグマンは日本のリフレ策を評価してるから(消費増税には反対してるけど)、
日銀や安倍ちゃんの政策も実は一定効果あるのかもしれません。効果があるのに経済の低空飛行が続いてるとしたら、何もしなかったらもう墜落ってコトですよ。日銀の国債・手形の大量買いもそろそろ限界らしいから、もう墜落するんじゃ無いですかね。(←他人事みたいに言うんじゃ無いよ)
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グダグタ言っててもしようが無いからまとめますが、戦後の高度経済成長は人口増と適正な所得配分による家計の需要増加で成立しました。
でも現在、人口減と非正規・低賃金短時間労働者の増加で(労働組合が形骸化していたりそもそも組合組織率が減ってるのも大きいと思う)、家計の需要がどんどん減少していて、上記のスパイラルが逆に回っています。
これじゃ経済は成長しません。衰退します。
以上。おしまい。






