前回映画の話を書いたので、また映画の話をします。今度はあまり長くならないよう気をつけます。
またまた今更ですか、今年良かった映画として「美女と野獣」があります。
「美女と野獣」は最初アニメで作られて、それが舞台ミュージカル化されて、今年実写映画化されましたから、3バージョン揃った訳です。
私は劇団四季の舞台版から入りました。観たのは、舞台→アニメ→実写の順です。
舞台版では中盤の「ビ・アワ・ゲスト」が絶品です。完全に絢爛豪華なレビューショーになっています。家具にされちゃった家臣を等身大の人間が演じなければならないというのが、舞台版のツラい所ですが、「ビ・アワ・ゲスト」ではそれが逆に最大限効果を発揮していおり、「オペラ座の怪人」の「マスカレード」のシーンに匹敵するか、個人的にはそれ以上の出来だと思ってます。
アニメ版ではお皿とかナプキンとかの家具は家具サイズのままなので、舞台版に比べてどうしても見劣りしてしまいました。
実写映画はCGやVFXでどう表現されるのか楽しみにしていたのですが、それなりに良かったけど舞台に比べるとやっぱり見劣りしてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=RS0uf0bm1LM
なので「ビ・アワ・ゲスト」はやっぱり舞台版のが最高です。観てない人は是非観ましょう。
実写版の良い所は人物描写がより深くなっている所です。例えば、ヴィランであるガストン。アニメや舞台では単なる粗野な乱暴者みたいですが、「若くして戦争の英雄になったのに、平和になったら活躍の場が無くなって悶々としている人物」として肉付けされています。
あと、問題なのがル・フゥです。アニメ・舞台ではガストンの腰巾着の単なるバカと言う扱いだったのが、実写版で肉付けされた結果、あれはゲイではないかと、そんなものを子供に見せるのはいかがなものかと、問題にされてしまいました。で、実際アラバマ州の映画館で上映が中止され、マレーシアやロシアでも公開が危ぶまれてしまいました(結局公開されたけど)。
しかし私が見る限りでは、ゲイとは全然感じられませんでしたし、最後にガストンが凶暴性を爆発させてビーストを攻撃しに行く際にはガストンに対し批判的な発言もしたりしてるから、人間味が増して良かったと思います。
(監督のビル・コンドン自身がゲイで、映画にもLGBTの要素を取り入れていると明言しているから→http://globe.asahi.com/worldoutlook/2017040300003.html、ル・フゥは実際ゲイなのかも知れませんが、正直全然気にならない)
大体、今時こと芸術分野でゲイを問題視するのが、そもそもどうかしていると思います。ハリウッドやブロードウェイの連中がゲイなのは当たり前だろ。
「美女と野獣」にコグスワース(時計にされちゃった執事)役で出てるイアン・マッケランもゲイである事をカミングアウトしてます。イアン・マッケランは大英帝国勲章も貰ってて明らかにかつてのローレンス・オリビエやジョン・ギールグッドレベルの尊敬すべき大俳優です。LGBTの権利擁護キャンペーンも行ってます。
試しにゲイの実例を挙げるべく、Wikipediaで「ゲイの人物」を引いたら、リストだけで3ページも出て来ちゃったのでとても挙げられません。平賀源内とかチャイコフスキー、モンテスキューとかも出て来るので笑っちゃいます。
モンティパイソンでオカマをバカにしていたグレアム・チャップマンも自身がゲイでした。
でもそのせいでキース・ヘリングを始め多くの文化人がAIDSで亡くなっちゃったのは本当に残念だったと思います。
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「美女と野獣」について書きながら、ベルとビーストについて一切言及が無いのは自分でもどうかと思う。
因みに私はゲイではありません。
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