ウチは5.1チャネルシアターサウンドシステムを組んでいるので、ならではの映画を紹介します。
スピルバーグの「プライベート・ライアン」です。
「プライベート・ライアン」は、ノルマンジー上陸作戦シーンから始まり、トム・ハンクス等がライアン二等兵救出任務に当たり、遂にライアン二等兵を救出するというストーリーです。
なぜなら、ライアン二等兵は四人兄弟なのですが、兄3人戦死してしまったので、兄弟全滅とならないよう、最後の一人は救出せよと言う命令が、軍の上層部から出てしまったからなのでした。
-*- ライアン」は、冒頭のノルマンジー上陸作戦シーンが有名です。
ここは映像自体、残酷な戦場をリアルに描いていて凄いのですが、本当に怖いのは「音」です。同作品はアカデミー賞でも音響賞を受賞しています。
冒頭の、ノルマンジー上陸作戦のシーン、ここは凄いです。
まず、上陸廷内に聞こえる波飛沫の音がいきなり怖い。
で、上陸を開始すると、四方八方から飛んでくる弾着の音、機銃の発砲音、海中に落ちたときの音、更に銃弾が海中に突き刺さる音、四方八方で爆弾が炸裂する音、爆音で耳が聞こえなくなったときの音、爆裂の轟音・地響き、人々の叫び声等々、キリングフィールドのデンジャラスなサウンドの数々が四方八方から聞こえます。轟音の重低音も至る所から聞こえる。
後ろから狙い撃ちされる時は音もちゃんと後ろから聞こえる。
前方の爆発の反響音もちゃんと後ろから聞こえる。
轟音の地響きはサブウーファーの重低音で表現されます。
普通のステレオ2チャンネルでも充分怖いのですが、本当の怖さはシアターサウンドシステムじゃないと再現出来ないと思います。5.1チャネルで聞くと本当に怖い。サブウーファーも鳴りっ放しです。
戦場という異常な環境に観客を投入されるため、スピルバーグは明らかに「音響」を演出意図として最大限活用しているのです。
-*-
更に、意外と怖いのがラストのシーケンス。
終幕近く、捜索隊は遂にライアン二等兵を見つけますが、ライアン二等兵は橋の守備任務に就いており、兵隊の人数が足りないから離れられないと言うのです。そこで捜索隊は橋の守備隊に加わり橋の防衛に当たることになるのです。ここでトム・ハンクスは「シュールな展開になった」などと言い、観客の微笑を誘います。
で、橋や周囲の道路、建物などに爆弾を仕掛けたり、地雷を仕掛けたり、各人持ち場にスタンバイし弾丸等配布し準備を整え、敵戦車隊の到着を待ちます。
敵戦車隊が到着するまでの間、まったりとした静寂な時間が流れます。
が、暫くするとサブウーファーから低く重低音が聞こえてきます。重低音は徐々に高まって行きます。ドイツの戦車隊が近づいてきたのです。部隊は戦闘配置につきます。その間にも重低音と戦車の機体が軋む音が徐々に高まってきます。
ここでスピルバーグは、「音」を明らかに「ジョーズの樽」と同じように扱っているのです。ここの怖さはサブウーファーが無いと伝わらないと思う。戦車の重低音と機体の軋みが最高潮に達したところで、遂に戦車隊が姿を現すのです。
守備隊は戦車隊を作戦通りに誘導しようとするのですが、なかなか上手く行かない。
例えば、守備隊は正面を狙っているのに戦車隊は右へ逸れていく。映像は守備隊を写していますが、右へと進む戦車隊はサブウーファーを主とした音響で表現されるのです。ここもサラウンドシステムが無いと、攻防戦が正しく把握できないのだ。
そしてドイツの戦車隊と連合国の橋の守備隊は市街戦へと突入する。
市街戦でも銃撃、砲撃、機銃の音、爆裂音、地響きは5.1チャネルを前提とした音で表現されます。ここもサブウーファーによる戦車・爆裂音の重低音が怖い。市街戦なので爆音が街中を反響します。これもサラウンド音響で表現されます。
あと、スナイパーがライフルを発射した時の響きも怖い。発射音は中央のセントラルスピーカから聞こえるのですが、反響音が前後左右のサラウンドスビーカーとサブウーファーで周囲へ広がって行くのです。これも5.1チャネルじゃないと判らないと思う。
-*-
映画はいつからか5.1のマルチチャネル(今はそれ以上9.1.2とか)音響を前提に作られるようになりました。あんまり音響にはこだわっていない映画の方が多いような気もしますが、「プライベート・ライアン」なんかは明らかにマルチチャネル音響じゃないと本当の良さが判らない作品です。他にも時にはマルチチャネル音響を駆使した演出を行う作品もあります。
スピルバーグだと「宇宙戦争」でも雷の音が怖かった。
(ダコタ・ファニングの叫び声もうるさかった。これはヤリ過ぎで何とかして欲しかったと思う)
なので、映画を観る時は音響にも拘って欲しいです。
ウチは5.1チャネルで組んでいますが、現在では時代遅れなのは否めない(だからと言ってすぐ取り替える積もりもあんまり無い)。最新のドルビーアトムスだと7.1.4だったりします。
数字の意味は、[センタ+前後左右].[重低音効果用サブウーファー].[天井] のスピーカー数です。

(四角で囲まれているのは天井に付けるやつ)
家にマルチチャネルシアターサウンドシステムを組むのをお奨めはしたいのですが、なかなか出来る人は少ないと思います。ウチでも天井にスピーカー付けるのは無理だと思う。
であれば、映画はやっぱり映画館で観るのが吉なのかなぁ・・・と思います。
で、上陸を開始すると、四方八方から飛んでくる弾着の音、機銃の発砲音、海中に落ちたときの音、更に銃弾が海中に突き刺さる音、四方八方で爆弾が炸裂する音、爆音で耳が聞こえなくなったときの音、爆裂の轟音・地響き、人々の叫び声等々、キリングフィールドのデンジャラスなサウンドの数々が四方八方から聞こえます。轟音の重低音も至る所から聞こえる。
後ろから狙い撃ちされる時は音もちゃんと後ろから聞こえる。
前方の爆発の反響音もちゃんと後ろから聞こえる。
轟音の地響きはサブウーファーの重低音で表現されます。
普通のステレオ2チャンネルでも充分怖いのですが、本当の怖さはシアターサウンドシステムじゃないと再現出来ないと思います。5.1チャネルで聞くと本当に怖い。サブウーファーも鳴りっ放しです。
戦場という異常な環境に観客を投入されるため、スピルバーグは明らかに「音響」を演出意図として最大限活用しているのです。
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更に、意外と怖いのがラストのシーケンス。
終幕近く、捜索隊は遂にライアン二等兵を見つけますが、ライアン二等兵は橋の守備任務に就いており、兵隊の人数が足りないから離れられないと言うのです。そこで捜索隊は橋の守備隊に加わり橋の防衛に当たることになるのです。ここでトム・ハンクスは「シュールな展開になった」などと言い、観客の微笑を誘います。
で、橋や周囲の道路、建物などに爆弾を仕掛けたり、地雷を仕掛けたり、各人持ち場にスタンバイし弾丸等配布し準備を整え、敵戦車隊の到着を待ちます。
敵戦車隊が到着するまでの間、まったりとした静寂な時間が流れます。
が、暫くするとサブウーファーから低く重低音が聞こえてきます。重低音は徐々に高まって行きます。ドイツの戦車隊が近づいてきたのです。部隊は戦闘配置につきます。その間にも重低音と戦車の機体が軋む音が徐々に高まってきます。
ここでスピルバーグは、「音」を明らかに「ジョーズの樽」と同じように扱っているのです。ここの怖さはサブウーファーが無いと伝わらないと思う。戦車の重低音と機体の軋みが最高潮に達したところで、遂に戦車隊が姿を現すのです。
守備隊は戦車隊を作戦通りに誘導しようとするのですが、なかなか上手く行かない。
例えば、守備隊は正面を狙っているのに戦車隊は右へ逸れていく。映像は守備隊を写していますが、右へと進む戦車隊はサブウーファーを主とした音響で表現されるのです。ここもサラウンドシステムが無いと、攻防戦が正しく把握できないのだ。
そしてドイツの戦車隊と連合国の橋の守備隊は市街戦へと突入する。
市街戦でも銃撃、砲撃、機銃の音、爆裂音、地響きは5.1チャネルを前提とした音で表現されます。ここもサブウーファーによる戦車・爆裂音の重低音が怖い。市街戦なので爆音が街中を反響します。これもサラウンド音響で表現されます。
あと、スナイパーがライフルを発射した時の響きも怖い。発射音は中央のセントラルスピーカから聞こえるのですが、反響音が前後左右のサラウンドスビーカーとサブウーファーで周囲へ広がって行くのです。これも5.1チャネルじゃないと判らないと思う。
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映画はいつからか5.1のマルチチャネル(今はそれ以上9.1.2とか)音響を前提に作られるようになりました。あんまり音響にはこだわっていない映画の方が多いような気もしますが、「プライベート・ライアン」なんかは明らかにマルチチャネル音響じゃないと本当の良さが判らない作品です。他にも時にはマルチチャネル音響を駆使した演出を行う作品もあります。
スピルバーグだと「宇宙戦争」でも雷の音が怖かった。
(ダコタ・ファニングの叫び声もうるさかった。これはヤリ過ぎで何とかして欲しかったと思う)
なので、映画を観る時は音響にも拘って欲しいです。
ウチは5.1チャネルで組んでいますが、現在では時代遅れなのは否めない(だからと言ってすぐ取り替える積もりもあんまり無い)。最新のドルビーアトムスだと7.1.4だったりします。
数字の意味は、[センタ+前後左右].[重低音効果用サブウーファー].[天井] のスピーカー数です。

(四角で囲まれているのは天井に付けるやつ)
家にマルチチャネルシアターサウンドシステムを組むのをお奨めはしたいのですが、なかなか出来る人は少ないと思います。ウチでも天井にスピーカー付けるのは無理だと思う。
であれば、映画はやっぱり映画館で観るのが吉なのかなぁ・・・と思います。
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