ある人が生まれた時、月がどの宿に居たかで、その人の宿が決まります。これは、各年の「旧暦(太陰暦)」で決まるのです。「旧暦」を使わないといけないのが一寸面倒くさいところでもあります。
また、「ある日」の月がどの宿にいるかで、「その日」の宿が決まります。
宿と宿の間にはそれぞれ相性があり吉凶が決まり、これにより、その日の運命や人との相性を占うのです。
更に宿の吉凶を表すのには、三・九の秘法というものがあり、自分の宿を出発点にバイオリズムのような運気の盛衰が九日単位に訪れると言う考え方もあります(これは本当にバイオリズムを先取りした物だと思う)。
①命(自分が生まれた宿)、栄、衰、安、危、成、壊、友、親、
②業、栄、衰、安、危、成、壊、友、親、
③胎、栄、衰、安、危、成、壊、友、親 これで27宿分が決まる。
自分の宿日に上の①~③を当てはめ、これを「秘宿」と言い、バイオリズムみたいに吉凶を判断します。(内容は字で何となく判ると思う)
こうして、自分と相手または日の「宿」と「宿」、さらにその上に重ねた「秘宿」同士の関係で吉兆が定められている。
又、月火水木金土の七曜(これがカレンダーの七曜の基になった)、これに羅喉、計都を加えた九星も考慮します。羅喉と計都は白道と黄道の交点の星。昇交点が羅喉。降交点が計都です。羅喉と計都で太陽と月が揃うと日蝕が起きるので、天体的なイベントを起こす特異点であり、災厄を呼ぶバーチャルな星とされています。
それから、西洋占星術と同じような12宮の考え方も入っています。
西洋占星術の12宮は太陽だけで成り立っていますが、「宿曜経」では太陽と月の組み合わせとなっています。

こういった「宿」が何か、「秘宿」が何か、「宿」と「宿」の組み合わせ、「秘宿」との関係はどんな物なのか、七曜・九星、12宮との関係はどうなのか等を、詳細に記したのが、「宿曜経」なのです。
今でも「宿曜占星術」とか、「密教占星術」とかよくありますが、これがソレです。(牛宿を加えた28宿版もありますが、私は支持しない)
もっと詳しく具体的に知りたいとか、実占する場合は、専門書に当たって下さい。
小峰有美子先生の本が最も真面目に研究されていると思うのでお奨めです。
(軽めの本も書かれていますが、価格高めの本格的な本のほうが吉と思う)
(続く)