「翠玉白菜」と「肉形石」を見て来ました。 | オリジナル演技「AR演技メソード」考案者勝然武美のブログ

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悪魔のように繊細に、天使のように大胆に!

「翠玉白菜」は、翡翠本来の色を巧みに生かして、濃い緑の部分で層になって重なる葉が表現されています。

この白菜の葉には2匹の昆虫─キリギリスとイナゴがとまっています。白菜の白い部分には斑点があるし、葉っぱの縁や葉脈が巻いている箇所にも亀裂が見えます。これらは全て玉材にもともとあった模様ですが、こうした傷も虫食い痕や霜が下りた風に見えるよう、工匠が工夫したものです。このように玉石の自然な形や色あいを巧みに利用して彫刻する「巧彫」は、すごい技術だと思いました。

「肉形石」は、玉髄類の一種である碧石(ジャスパー)で作られています。

肉形石と言えば、よく煮込まれていいにおいがしそうな「豚の角煮」を思い出す人が多いでしょう。「肉形石」に使われている玉は「翠玉白菜」と違って不透明で、地層のような筋模様が入っています。見た目は煮込み料理によく使われる豚のバラ肉にそっくりですが、それだけではまだ不十分だったのでしょう。もっと本物そっくりにしようと、表面に点のように小さな凹みを作り、皮の毛穴が表現されています。上部にも赤茶色の染料を塗って、醤油がしみ込んだ皮に見えるよう加工してあります。ガラスケースの中から、おいしそうなにおいが漂ってきそうです。

中々見られる機会が無かったので、今回見られた事に感謝しました。