昨日の定款の修正を引きずっているのですが、取締役の選任の項で、「累積投票によらないものとする」という規定を挿入しました。
この累積投票って何?というのが今回のテーマです。
私のこれまでの会計士・税理士人生のなかでも、累積投票を採用していた会社はありませんでした。
この「累積投票」どのような選任方法でしょうか?
累積投票の説明としてよくあるのが、株主総会で複数の取締役を選任する場合、各株主の議決権に対し、選任する取締役数と同数の議決権が与えられ、その投票の結果、得票数の多い者から、順次取締役に選任されるというものです。これは、累積投票とは少数派株主の経営参加を保護するためです。
ということなんですが、わかりにくいので例でみてみましょう。
取締役の選任数が3人であり、多数派株主(Aさん 10株)側の候補者がX氏、Y氏、Z氏の3氏、少数派株主(Bさん 4株)側の候補者がW氏とすると、累積投票であれば、Aさんに30個(10株×3個/株)、Bさんに12個(4株×3個/株)の議決権が付与されます。
すると、Bさんは全ての議決権を、W氏に行使しますのでW氏は12個が入り、Aさんがどのように議決権を行使したとしても、X氏、Y氏、Z氏の3名すべてが12個以上にはなりませんので、必ずW氏は上位3名の中に入り選任されることになります。
以上により、少数派株主が保護されることになりますが、累積投票を採用していない会社が多いのは、少数派株主側の取締役が取締役会に入るといろいろ面倒だからでしょうか。