予告を初めて観た時から「これは絶対に観るぞ!」と心に決めていた映画を、公開初日に観に行った!

タイトルは…

 

「関心領域」!

 

今までハズレが無い「A24」制作の作品なので、公開初日2回目の回を安心して観に行ったら…

 

凄い作品だった!

 

1945年のポーランド。

「ある施設」のすぐ横に建つ家に住むドイツ人一家の日常を映すという、ストーリーの中身は本当に何でもないんだけれど…この作品が何とも言えず「怖い」のが…

 

「ある施設」がアウシュビッツ強制収容所と言う事。

 

この主人公の家族はアウシュビッツ強制収容所の所長の一家で、ユダヤ人の「財産」や「命」を何とも思っていない事がありありと見える会話にゾッとした!

 

…そして何よりもこの作品の恐怖を煽る要素が…

 

ズバリ「音」!

 

何しろ主人公一家の住む家は「アウシュビッツの真横」という立地なので…庭からは勿論、家の中からも、収容所の建物や煙を吐き出し続ける煙突が塀越しに見える事から…家の敷地内のシーンでは冒頭からず~~~っと…

 

「悲鳴?」・「怒声?」・「凶暴な犬の鳴き声」・「パン!パン!という音」が常に、生活音レベルで鳴り続けているという!

 

…しかもそれだけでなく 「ゴゴゴゴゴゴ…」 という、何だか地響きのような音も流れ続けているので…観ているコッチは不安に駆られ続ける(しかしこの一家はそれを”生活音”程度にしか感じていない無関心さ)!

…そして、観客も後ろから聴こえて来る「音」に何となく慣れて来た時に…それがただの「音」ではなかった事に気づかされるのと、ある人物が呟く台詞に…

 

「うわぁぁぁ!怖い~~~!」

 

という気分に叩き落されるという!

 

音の他にも僕が「!」と思ったのがカメラワーク。

この映画の映像は基本的に、各所に取り付けられた定点カメラの映像を繋げたような作りで、キャラクターが隣の部屋へ移動する為に奥の方へ歩いて行くと、普通の映画だったらその後をカメラが追って行く所を、この作品の場合は隣の部屋のカメラに切り替わって話が続くというように、とにかく「カメラが前後へ移動する映像」が無いのに、キャラクターが横方向へ移動する際はカメラが並行して追いかけて行くという演出に、これもこの家族が「自分たちの生活」の事しか考えていない、「塀の向こう側で行われている事」には関心が無い事の表現なのかな?と思った。

 

約2時間の上映後、期待以上の内容に大満足して映画館を出た。

歩いて帰る途中…ちょっとした事件が起きた…(次回へつづく)