携帯サイトの中で見つけた。



「 遊び屋さん 」 という不思議なサイト。



そこでは登録した人に、素敵な彼氏をプレゼントしてくれる。 といかにも怪しい表記がしてあった。



江夏 光 「彼氏プレゼントとか(笑) めっちゃふざけてるし(笑)



   無料だし、登録しちゃおっと」



私は、名前 : 江夏光 (えなつ ひかる)



   メアド : hikaru-0120@×××



を入力し、登録した。





そして、しばらくして「遊び屋さん」からメールが届いた。



ー新着メール一件ー



本日は当サイトにご登録いただきありがとうございます(^-^)



光様が一人目のご登録者ということでさまざまな得点をご用意させていただきました。



・ 彼氏プレゼント



・ 当サイトにお願い券三枚



・ その他、またメールでお知らせいたします



ーENDー



江夏 光 「私、一人目なんだ。 うそくさいなぁ(笑) いたずらにも程あるし(笑)」








次の日は月曜日、私は普段通りに登校する。



昨日のことは正直・・・忘れていた(笑)



間崎 龍之介 「おはよ、光 一緒に行こうぜ」



・・・だ、誰?



茶髪だし、なんかチャラいし、ナ、ナンパ???



江夏 光 「・・・」



私はきれいに無視を炸裂させ、通り過ぎた。



間崎 龍之介 「なんだょ 彼氏無視すんじゃねぇよぉ=」



彼氏!?



何この人、意味不・・・め・・・・・。



江夏 光 「もしかして・・・ 「遊び屋さん」 とか・・・?」



本気&ふざけ交じりで言ってみた。



間崎 龍之介 「おう、分かってんじゃんか つか遅刻すんぞ? 歩きながら話そうぜ」



わ、分かってんじゃんかって。全然ワカンネェヨ !!!



頭の中がはてなのまま、私は彼の後ろを歩いた( 歩かないと遅刻するから )。



「遊び屋さん」て、何 !?



本当にコレ、彼氏なわけ? 



これは現実なわけ?



間崎 龍之介 「俺は、間崎龍之介(まさき りゅうのすけ)、お前の彼氏な♪」



江夏 光 「ぃ、意味分かんない これ、現実? ぁんた本当に人間?」



今の私は、はてなで埋まってて。 挙動不審状態(゜д゜;)



間崎 龍之介 「ぁっはは 人間だよ。どんな妄想してんだっつの



    うーんと、お前の友達で彼氏いる奴いるだろ?



    それと同じみたいな。お前の彼氏が俺なわけ。 分かる?」



私の彼氏が、こいつ・・・。



なんか分かったような。でも・・・見るからに怪しい。



江夏 光 「あ、怪しい」



私がそうつぶやくと、彼は振り返ってゴホン、と咳払いをして、



私の右手を両手で握った。




間崎 龍之介 「俺は怪しくないよ、ちゃんとした光の彼氏。 よろしくな」



彼の手は男らしくて温かくて、なんだかさっきまでのはてなは消えたような気がした。



間崎 龍之介 「さて、中学校到着 いってらっしゃーい」



ぱっと手を離して、手を振る彼。



こうしてまじまじみると、何気にイケメンかも。



私は何も言わずに中学校へ歩く。



七歩歩いて振り返ると、まだいる。笑顔のまま。



江夏 光 「・・・って、中学校、行かないの !?」



間崎 龍之介 「俺は高校一年生なのだーっ(`∀´)」



といって指で自転車のカギを回して見せた。



「そぅ」と一言言ってまた歩き出す。

たしかに制服がブレザーだったのを思い出しながら歩いた。

多分今振りかえっっても、彼が笑ってくれるなぁ、とニヤニヤしながら歩いた。










つづく