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アンコールの点在する遺跡を廻る。周囲は30キロほど。
この暑さの中、チャリンコで廻る人は少ない。アンコールワットを離れるほど更に減り、
数キロ走ると人気がほとんどなくなる。昼間でも不気味だ。
周りは手付かずの森。山賊もいるかも知れない。


ある遺跡に着くと、
少女が寄って来た。10才くらいだろう。
「店寄ってよ」
「いらんし」
少女は自分と並んで歩く。
「どこから来たの?」
「日本」
「帰りに寄ってね」

遺跡を見て終えると、
出口でさっきの少女が待ち構えていた。
「うざいな…」
無視し通り過ぎようとすると、手の平を見せ、260円が。
「円は使えないから$に替えて」
「…いくらで?」
「3$」
「無理や。2$ならえーよ」
「いや!」
「なら200円を2$ならえーで」
「…わかった」

交渉成立。200円と2$を交換した。
すかさず汗だくの自分を見て少女が水を売り込んできた。
水は欲しかったので1本購入。


感心した。
10才ほどの女の子が英語を話せ、
日本人であることを聞き出し、
両替の交渉もでき、
更に水も売っている。

たいしたもんだ。

自分からすれば数十円の損得の駆け引きだったが、
女の子にとっては自分の数百倍価値のある駆け引きだったはず。

ムキにならんとおまけしてあげたらよかったな…