「仕立て屋のサーカス」京都公演へ 行ってきました。
音楽家 × 裁縫師 × 照明作家 による音と布と光のサーカス。
舞台は今年の秋には取り壊されてしまう古い小学校。
少しカビ臭い廊下を通り、大きな鏡を右に曲がり、
壊れた水道を越えると講堂の入り口がありました。
たくさんの布地で敷き詰められた床と黒い布で囲まれた中央のテント。
始まるまでの時間と、
始まって ひとつ終わってから、また始まって終わるまでの時間。
その全ては
私にとって初めてでした。
2人の音楽家が色んな楽器を奏でる中、
左利きの黒い裁縫師は大きなハサミを振りかざし、起こる全ての音を響かせ、暗くなったり明るくなったり、また少し暗くなったり。
そして2人の音楽家に様々な布を着せていきました。
私の眼は大きなハサミを追い、
私の耳はたくさんの音色に踊り、
私の心はその時をどこまでも駆けて行きました。
ハサミで何かを創る作業は、私の作業と似ている。同じに感じた。
今年の日本公演はこれで終わりだと知り、今日がとても貴重に思えた。
その時の観客、空気、時間、気温、取り巻く全てで造られる表現は、
唯一無二だと知る。
家に帰って、服を脱いだらフィナーレの紙吹雪が出てきた。
また観たい。
「仕立て屋のサーカス」とは、
二人の音楽家・曽我大穂(マルチ奏者)、ガンジー(コントラバス)とファッションデザイナー・スズキタカユキ、照明作家・渡辺敬之で構成される。幾重にも音楽が重なり合っていく中、スズキタカユキが直感的に即興で制作した衣装を演者たちに纏わせてゆく。彼らが披露するのは、音と布、そして光が織りなす即興舞台。
スズキタカユキさんと。
TiCA