魔女日記~TiCA~



そういえば ワタシは 毎日 誰かの 毛を切って 過ごしているんだな。


美容師になって 10年だから 今まで どれくらいの量の髪の毛 を 切ったんだろう。


先日 ふと こんな事を 考えていました。



 

それが 日常だったから 悪い意味じゃなくて 何の疑問を持たず やり過ごしてきた。


お客さん が 来る。

カウンセリング を する。

どんな髪型にするか 決める。

切る。 (カラー。 パーマ。 なんじゃかんじゃ。)

新しい髪型になる。


まぁ 基本的に ワタシが使う道具は ハサミなんだから 


切ること。 つまり 削り落とすこと。 しか 出来ない。




毎日 大切に 大切に 一人ひとり の お客様と 向き合い


来て下さった 奇跡に 感謝して 


仕上がった 新しい笑顔に 元気をもらっている。 そういう作業。



これは おおげさな話じゃなくて 本当に思うこと。

  

それと ワタシは 「好きな事で ごはんを食べれる幸せ を 手にしているんだ。」 とも思う。



そして 髪の毛を切ることは 女性に限らず 神聖な行為だ。


例えば 地肌から30cmの髪の長さ を 10cmカット した場合。


単純計算で 一番毛先の毛は 3年前に 生えてきた 髪の毛で


そこを 10cm切ったのだから 2年前に 生えてきた 髪の毛が 今回の毛先に なるわけだ。


頭の上に乗っていた間は もちろん その主の笑ったり、泣いたり も 知っている。


そういうものを 切り落とす。




だから 髪の毛を 切った後 みんな 「あ~~すっきりした。」 なんて 言葉がでるんだろうね。


昔は 「失恋したから 髪の毛を切る」 なんてのも あったけど


思えば 理に適ってるね。


情念 を 断ち切る って事なんでしょうな。


だから


ワタシは ただ 髪の毛を 切るだけが 仕事じゃないだろうな。



言い方が気持ち悪いけど 


きっと ほかの いろんなものも 切っているんだろう。


って ちょいちょい 自分の指も 切ってるけどwww



でもね。


ワタシは そういう仕事が したかったし 


元来 そういう仕事が 美容師だとも思う。




魔女日記~TiCA~


そんなことを 考えた日に もらった 差し入れ。


おにぎり。


優しい味がしました。


ありがとう。



   TiCA



誰かのことを 他の誰かが 見守っていて 


その誰かも 他の誰かを 見守っていて


くるくる 回って


そういうのが 世の中なんだよ。 きっと。