なぜ六次産業化をするのか?
六次化産業化は成功するのか?
そんなことを聞かれるコトが多いですので、自分なりに考えていることを。
当社の六次産業化ビジョンは、偶然の産物のように生まれました。
逆境とピンチの中で、ホントにこのままでイイのか?と疑念にもがく中で生まれました。
順風満帆なら生まれなかったビジョンだと思ってます。
三次産業にあたる外食産業で三十五年やってきましたが、
マーケットは縮小し、業態の消費スパンは年々短くなっています。
3年前に流行っていた業態が閑古鳥が鳴く状況を多々、目の当たりにしてきました。
これから食材原価率も人件費率も上がり続けます。
そんな中で永く続く業態にしていくために、
付加価値を高めるために出来るコトを考えました。
ファンの方々が愛したくなる店作りをしていくことが活路だと感じました。
そこで取組みはじめたのが、製造するとこから自社で品質管理をする一貫体制です。
3年前にスタートしました。品川の卸売市場で一頭買いも始めました。
その過程でムダなロスを削減する事で原価率を抑える仕組みも出来ました。
コレが三次産業と二次産業を繋ぐキッカケです。川上にいくことで仕入れにおける市場相場の予測も出来るようになりました。
食材の仕入れの起点は川上にあります。
川上には自分たちが知り得ない情報があるコトを知り、農家の方々の話を聞くことにしました。
日本の農業が今後どうなるのか、今の農業の課題は何なのか。
私たちが三次産業にいる時は、良いものを安く買うことばかり考えてました。
しかし、農家さんの話を親身になって聞いていると、このままでイイのか?と考えるようになります。
農家さんがこだわって作ったモノを高く買う仕組みがなければ、日本の農業は発展しません。
農家さんが儲けなければ、後継者は育たず、廃業する農家が増えてしまい、適切な競争環境がなければ、質の低いとこで価格だけが上がる。
そんな日本の農業の衰退は、そのまま三次産業の衰退に繋がるんじゃないかと危機感を感じました。
だったら、一次産業から商品価値を高めつつ、産業をまたいで流通に至る工程で、ロスやムダを省き、生産性を高める仕組みにしようと。
生産性の高さは収益に反映される。収益から新たな付加価値への投資に分配することが出来る。
コレが六次産業化ビジョンへと至った経緯です。
当然リスクがあります。今、六次産業化がうまくいかないケースも散見されます。
そもそも、六次産業の歴史はまだまだ短いです。これから改善の繰り返しです。
今の段階で、六次産業化は成功しないと断定することの方が、短絡的な考えだと思います。そんな簡単なことじゃない。
一つ考えられることは、
農業起点の六次産業化よりも、三次産業からの六次産業化の方がリスクが少ないんじゃないかという仮説。
今は、農業起点の六次産業化が事例としては多いです。
この最大のリスクは、販路開拓に成功するかです。売れるモノにするというコトの難しさはあると思います。
一方、販路を持った上で、使用する食材の総量を起点に考えて、必要分の一次産業を足固めしていくという、
逆バージョンの六次産業化は、買い手がいなくて売れ残るというリスクは低減されると思っています。
農家さんの顔を見せ、こだわりを伝えていく。農家さんと一緒にリスクを取って農業に関わる。
そのストーリーをお店で食事するお客様に感じてもらい、農業から支持してもらえるようにしたいと思ってます。
そもそも、成功するかなんて知りません。
誰かが成功したら成功するとか、誰かが失敗したら成功しないなんて考えても意味がない。
どうしたら、コレを実現できるのか。それだけでイイと思ってます。リスクや困難なんて覚悟の上で、やっちゃうだけです。
少なくとも、当社の六次産業化ビジョンは、明るい展望の中から生まれたもんでもない。
このままじゃマズいぞという危機感…真っ暗闇の中で見つけた一点の希望です。
そこにヒカリが当たってると信じる仲間、信じてくれる取引先さんと一緒にやってれば、活路は開けると思ってます。
どうせ人生一回しかないんだ。
惰性ではなく、自分たちが信じれるビジョンに向かってこうよと言いたい。
失敗するつもりはサラサラないけど、失敗したって死にはしない。何度だって、どんな方法でだってチャンスはあると思ってます。
めちゃくちゃ悲観した中で見つかったビジョンだから、やるとなったら、楽観的に楽しくやり切るよー。
今期も残すところ1ヶ月となりましたんで、もう一回、ビジョンの原点を伝えていこう。俺たちは根っこで繋がる。
ふー、真面目に書いたら疲れたー。笑