医薬品・医療機器などの使用期限 | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。高橋翻訳事務所(http://goo.gl/25cZv)医学翻訳・薬事申請翻訳担当 Y.O.と申します。


医学・薬事申請翻訳ご存知のように、医薬品(pharmaceutical product)には使用期限(expiration date)があります。
新型インフルエンザに備え、政府のガイドラインに従って国と都道府県が抗インフルエンザ薬(anti-influenza drug)を備蓄していますが、そのうち約1800万人分がこの夏以降に使用期限として設定されている7年を迎えるため、廃棄の対象となるそうです。金額にすると300億円相当で、廃棄するのは非常にもったいないという声が上がっているものの、公の機関が「使用期限」をないがしろにすることはできません。昨年度は260万人分ほどが期限切れになって廃棄されたそうです。廃棄した分は新品を買って新たに備え、入れ替える形になります。必要な時に足りなくなってしまっては困りますが、あまりに廃棄量が多いのも問題であるため、より効率的な備蓄のための対策が求められます。

皆さんのご家庭の救急箱(first-aid box)はいかがでしょうか。救急箱と言えば、子供の頃、小さな緑色のクロスがついた木製の箱は私にとって魔法の箱でした。最近はより実用的な軽量のプラスチック製のものも多いようです。

購入時に使用期限を確認してまだまだ先までもつと思って買ってきても、いつの間にか時間が経ち、いざ使おうと思ったらとっくの昔に使用期限切れという経験はありませんか?我が家でも、胃腸薬(gastrointestinal drug)、風邪薬(cold remedy)、漢方薬(Chinese medicine)、かゆみ止め(antipruritic drug)、軟膏(ointment)、消毒薬(antiseptic)などいざという時の薬を常備するようにしていますが、幸いあまり使わずに済むことが多く、使用期限内に使っていなかったものが多くありました。万が一のための保険だと思えば、「使わずに済んでよかった」とも言えるのですが、いざ必要になった時に備蓄薬は使用期限切れで、薬を買えるお店が開いていなかったり外出できる状態ではなかったりしては保険の意味もないため、最低限、定期的に使用期限をチェックして必要に応じて廃棄と購入をするように心がけるようになりました。

それによって備蓄薬の期限切れはあまり起きなくなったのですが、先日思わぬ見落としがあったことに気づきました。調理中に切り傷ができて絆創膏(adhesive tape)を貼り、後になって改めて外箱を見てみたところ、使用期限が「2011.05」となっていました。今年は2013年ですので、2年以上前に使用期限が切れていたことになります。絆創膏に使用期限があるということを普段意識しておらず、定期チェックから外れていたのです。今回は使用期限切れの絆創膏を使用しても特に問題は生じませんでしたが、医薬品以外の救急箱の中身を再度点検したところ、他の絆創膏でも使用期限や品質保持期限(quality preservation period/shelf-life date)が切れていたものがありました。ちなみに、救急絆創膏は、その成分や効能・効果に応じて、薬事法の下で医薬品、医薬部外品(quasidrug-あまり耳にしない英単語ですが、「quasi-」は「準-」を表す接頭語で、「医薬品に準ずるもの」という意味です)、医療機器の3種類に分類されます。私の家にあるものはいずれも、殺菌消毒薬を含まない一般医療機器(general medical device)に分類される救急絆創膏でした。

また、医療機器ではありませんが、急な発熱時に備えて用意していた冷却ジェルシートや冬の災害時や停電時にと備蓄していた使い捨てカイロも大幅に期限を過ぎていました。

定期的に点検をと思っていても、日々の生活に追われてなかなか実践できないものです。9月1日の防災の日(National Disaster Prevention Day)、自身が災害を経験した日、また、家族の誕生日など特定の日に点検をするようにすれば忘れにくいかと思います。医薬品、医療機器、備蓄用の水や食糧、その他期限のあるものについては、常に使用できる状態のものが備蓄されているように心がけていきたいものです。医薬品や医療機器の場合は、個包装には期限や使用方法などの情報が記載されていないものも多いため、外箱と添付文書(package insert)も捨てずに保管しておく必要があります。電池にも使用推奨期限なるものが記載されていますので、懐中電灯(flashlight)の中の電池(battery)も時々確認しましょう。




翻訳コラム担当者紹介

医療機器メーカーで実際に申請・治験業務に携わった経験を生かし、申請・治験業務担当者がどれほど厳しい状況の中で即戦力となる翻訳を求めているかを身をもって知っている者として、当局に受け入れて頂ける完成度の高い訳文をお届けできるよう、医療分野や薬事動向に常に目を向け、現場の皆さまのお声を聞かせて頂いております。 また、大学で学んだ言語学の分析手法や翻訳・編集の会社での経験に基づき、自身の訳文が曖昧さのない、用語の整合性がとれたわかりやすいものとなっているか、批判的に多方向からのチェックを行い、最善の状態で納品させて頂くことを念頭に置いております。

株式会社高橋翻訳事務所 
医学・薬事申請翻訳看護・介護・医療翻訳  担当:Y.O.