IPS細胞への期待 | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。高橋翻訳事務所(http://goo.gl/25cZv)経済分野翻訳担当の佐々木と申します。

経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳今回のテーマはIPS(induced pluripotent stem cell)細胞とその可能性についてです。

京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞(Nobel Prize in Physiology or Medicine)を受賞しました。日本人が同賞を受賞するのは1987年の利根川進氏以来で、2人目の快挙となっています。山中教授は2006年に世界で初めてマウスiPS細胞を、2007年にはヒトiPS細胞を作製するなど同分野でトップを走り続け、スウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)も、「細胞や器官の進化に関する我々の理解に革命を起こした」と授賞理由を説明しています。通常、医療分野では治療実績が重視されますが、今回はiPS細胞の作製から6年での受賞となり、注目度の高さがうかがえます。

iPS細胞はさまざまな細胞への分化が可能なため、難病の治療など再生医療への利用が期待されています。また、iPS細胞の使用によって新薬の開発に要する時間、費用を大幅に減らすことができるため、創薬研究の分野でもすでにアプローチが始まりました。しかし、実用化には細胞の腫瘍化(ガン化)の可能性、倫理的な問題や拒絶反応などの課題をクリアする必要があります。山中教授も受賞後のインタビューで、来年以降には人での臨床研修が始まる見通しであるとし、安全性が最大の課題と話していました。世界中の関係者が注目するiPS細胞ですが、今後の研究からも目が離せません。


経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳コラム担当者紹介
経済分野全般翻訳を担当しています。大学在学中に経済学を専攻していた知識を基に、日頃からさまざまなメディアを活用して新しい情報の収集を続けています。「経済」というと、分かりにくい、難しいというイメージがありますが、専門用語には注釈をつけるなど、違和感なく、スムーズに読むことのできる表現を心がけています。
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