電子カルテ(elctronic medical chart)について問題なのはカルテの改ざん(interpolation)ができない点、患者のプライバシー保護(privacy protection)の点です。これらは、ソフトウェアにおいて十分考慮すべきだと思います。その他にはカルテの方式の互換性に関する問題もあります。電子カルテの導入は単にフィルムレス、ペーパーレス(paperless)という理由からではなく、患者と医師との情報共有が可能、医師の入力の手順を軽減し能率を向上させる、医師と看護師との情報の共有化、無線LAN(wireless local area network)の利用によりカルテへの記入は場所を選ばない、遠隔医療への応用、待ち時間の短縮など多くの利点があります。
最近では放射線科(department of radiotherapy)の運用に役立つことが広く知られるようになり、大病院から中規模の病院までシステムが導入されています。中規模の病院における3年間のPACS(picture archiving and communication system)運用実験では、X線CT、X線TV装置、他のX線装置(ポータブル用)、さらにアイソトープ検査装置、血管造影(angiography)装置、内視鏡(endoscope)などが接続されており、結果がPACSサーバ室に送信されると同時に読影室にも電送されます。
最近は多くの断層像を撮影するので、医用画像をフィルムベースで保存するには大きなスペースが必要であり、また必要な場所へフィルムを運ぶなどの手間があります。さらに、フィルム画像の伝送および処理を行うには、スキャナなどにより電気信号に変換しなくてはなりません。
電子記録が認められるようになったので、今後は採用する病院が急増するものと予想されます。
コラム担当者紹介
大学や研究所で得た知識と経験を生かし、生命科学全般を対象に翻訳を手掛けております。最先端の技術内容に関する仕事が多いため、調査には十分な時間をかけた上で、読み手の立場を十分に配慮し、さらに原文のニュアンスや言葉のリズムを掴み、論理的で読みやすい翻訳文を提供できるよう努めています。
株式会社高橋翻訳事務所
医学翻訳 ・分子生物学翻訳 ・生化学翻訳 担当:平井
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