ボカシ肥料 Bokashi | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。高橋翻訳事務所(http://goo.gl/25cZv)環境翻訳担当のY.M.と申します。

環境翻訳レストラン等からの食品廃棄物(food waste)が年間3千400万トン、固体廃棄物(solid waste)の14%を占めるアメリカで、今ボカシ肥料(bokashi)が注目を浴びています。

食品を含めた有機物(organic matter)を発酵(ferment)させて作るボカシ肥料は、日本で何百年も用いられてきたおなじみの肥料ですが、アメリカではまだまだ新しい概念とのこと。環境保護庁(Environmental Protection Agency)が正式に認める堆肥(compost)のリストにも含まれていないということです。

ボカシ肥料の利点は、油かすや肉、乳製品等、通常の堆肥では除外しなければならない食品も材料とすることができ、大量の廃棄物が発生するため仕分けが不可能なレストラン等でも実施可能な点です。また、ニューヨークのブルックリン市でボカシ肥料の回収を行っているVandra Thorburn氏によれば、臭いの少ないボカシ肥料は空間に制約のある都会でも実施できるため、共同菜園(community garden)での利用や汚染された土壌(contaminated soil)の再生等に活躍が期待できるとしています。

ボカシ肥料は本来有機質肥料にもみがらや山土、粘土を混ぜて発酵させたものですが、確実に効果的な微生物を得るため、市販の有用微生物群(Effective Microorganisms: EM)も広く利用されています。EMは、アメリカではテキサスのTeraGanix社が扱っています。

日本語がそのまま英語になっている言葉はsushi、samurai等いろいろありますが、bokashiも近い将来その仲間入りをするのでしょうか。楽しみです。

<参考>
http://www.japantoday.com/smartphone/view/lifestyle/japanese-composting-may-be-new-food-waste-solution



環境翻訳コラム担当者紹介
環境コンサルタントを経て米国でサステイナビリティ研究を行った経験を活かし、環境に絞って翻訳活動を行っております。修士共同研究ではカリフォルニア州道路公団の依頼で景観計画を作成。サステイナブル・コミュニティに関する研究では代替エネルギーから建築、農業、教育まで幅広い分野を統合する試みに携わりました。調査→分析→報告/発表という一連の流れの中で、必要に応じて関連分野の情報収集を行うなど、環境に関わる各分野に適した正確な翻訳を行います。
株式会社高橋翻訳事務所 
環境翻訳  担当:Y.M.