英語で「こだわり」や「こだわる」を訳すとき | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。(株)高橋翻訳 事務所 広告英語翻訳英文 キャッチコピー翻訳 担当 米国人翻訳 者コールマンです。


前回、カタカナ言葉と英語 とのずれについて書きましたが、日本語自体の意味が、元々の意味から派生して、否定的な(negative)な意味だったのが肯定的な(positive)意味で使われるということが出てきました。これは英語 でもBadやCoolなどが「かっこいい」という意味で使われることがあるのと同じ現象です。


日本語での「こだわり」は、漢字で書くと「拘り」ですが、元々、「何かに執着して離れられないこと」や、「細かいことに執着しすぎて物事が進まない」など、ネガティブな意味を持つ言葉なのです。動詞では「こだわる」で、「そんなことにこだわっていては、話が進まない(英語では"If you get caught up on that, you won't be able to get to the next step")」などの文章があります。そんな意味で使われてきた「こだわり」や「こだわる」ですが、このところ、広告関係の言葉として非常に多く見かけるようになりました。例えば、食べ物の通販で「こだわりの味」と言ったとき、そのまま"get caught up in/on"または"stick to"を使うことはできません。この場合、英語で一番近い表現は、材料や作り方にはこだわりがあって、「質が高い」ことを強調したい場合は"high quality flavor"で、作り方などが独特で、「他で味わえない独特な味」であることを強調したい場合は"distinctive flavor"ということになるでしょう。不動産関係の翻訳を手がけることもよくありますが、「こだわりのインテリア」「部屋の細かい部分にもこだわっています」というときは、それぞれ、"unique interior" (または"high quality interior")、"you will be impressed with the level of attention paid to even the finest details of the room(s)"(もしくは"we lavish a high level of attention down to even the finest details of the room(s)")と表現するのが適切でしょう。


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