デバイス・ラグについて | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。(株)高橋翻訳 事務所 医学翻訳 薬事申請 翻訳 担当のY.O.です。




平成221028日に東京会場で開催された「平成22年度医療機器 ・体外診断薬製造販売承認等に係る講習会」に参加してきました。


この講習会は例年「寒い!」というイメージがありますが、今年も冷たい雨が降る中での開催となりました。台風と重ならなかっただけでも幸運だったかもしれません。




以前、別のコラムで「デバイス・ラグ(device lag)」について触れましたが、この「デバイス・ラグ」解消に向けた具体的な取り組みは、今回の講習会でも大きなテーマの一つでした。




2005年度~2007年度にかけて国内で承認された新医療機器new medical devices)に関するデータ(講習会テキストより)によると、米国 との比較では、

①申請ラグ(申請者側のラグ/開発から申請まで):約12ヵ月

②審査ラグ/承認ラグ(行政側のラグ/申請から承認まで):約7ヵ月

③デバイス・ラグ=①+②=約19ヵ月

という実情のようです。




この「デバイス・ラグ」を解消すべく、医療機器 の審査迅速化アクションプログラム(平成201211日)が策定され、平成25年度までの最終パフォーマンス目標に向けて、年度別のマイルストーンに従って実施されています。



「デバイス・ラグ」というと、新医療機器 について多く取り上げられていますが、より申請件数が多い改良医療機器 や後発医療機器 におけるラグも大きく、対策を講じていく必要があるようです。




まだまだ課題は多い状況ですが、行政側が具体的な数値に基づいて目標を掲げ、その成果を報告している姿勢が印象的でした。


また、医薬品医療機器 総合機構(PMDA)のホームページなどでのさまざまな情報提供、相談制度利用の推奨、申請者側と行政側とのコミュニケーション向上への呼びかけ、「申請・審査意見交換会」の開催など、申請者側と行政側との双方で「デバイス・ラグ」解消に取り組もうとしている姿が垣間見られ、非常に期待が高まりました。


医療機器 の承認申請に関わる翻訳 に携わる者としても、翻訳 を通じて「デバイス・ラグ」解消への取り組みに貢献できたらと考えています。




(株)高橋翻訳 事務所 医学翻訳 ・薬事申請翻訳 担当  Y.O.