ドイツ統一20年について | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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政治分野の翻訳 を担当している佐々木です。今回のテーマはドイツ統一(German reunification)20年です。


東西ドイツが統合して20年が経過しました。第2次大戦(World War II)で敗戦国となったドイツは、ソビエト連邦(Union of Soviet Socialist Republics)が率いる社会主義陣営とアメリカが主導する自由主義陣営によって40年もの間分断され、この間に生まれた両国の格差を埋めることが統一後最大の課題でした。20年間で1兆3,000億ユーロ(約150兆円)もの資金が西から東へと注ぎ込まれた結果、高速道路など東の基盤整備は進み、域内生産も2倍以上に増加しています。しかし、格差は依然として残っており、東の労働者の賃金は西の約8割にとどまっています。このため、失業率も西の倍に近く、労働力も西に流出しているのが現状です。


東西の住民ともお互いに対して否定的な見方をしている面もありますが、統一は正しい選択だったと考える人は双方とも8割を超えており、統一後の関係は良好との意見が多数を占めています。


ドイツは過去に2度の大戦を引き起こした過去がありますが、現在はアフガニスタンへの派兵など国際 的な責任も担っています。日本もドイツと同様に第2次大戦の敗戦国となりましたが、現在は世界でも有数の経済大国(economic power)へと発展を遂げました。しかし、国際貢献の面では消極的であり、ドイツとは大きな差が生じています。国際 的な発言力を高めるためには、ドイツの取り組みから学ぶべきことも少なくないのではないでしょうか。


(株)高橋翻訳 事務所 政治翻訳 担当 佐々木