セグウェイ社オーナー事故死 | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

プロ翻訳家による丁寧な翻訳で海外・国内のホットな話題を翻訳家の視点で書き綴っております。


こんにちは。(株)高橋翻訳 事務所の高橋です。

Yahooのトップニュースで「セグウェイのオーナー事故死」と報じられていまして、「オーナー」というと「ユーザー」の意味でも使われることがあることから、ユーザーが誰か亡くなったのだろうかと思いながら記事を見てみたところ、昨年同社を買収した会社のオーナーがセグウェイ乗車中に亡くなったとのことでした。私は職業病(occupational disease)なのか、目に付く言葉をチェックしてしまう癖があるのですが、「セグウェイのオーナー」や「セグウェイオーナー」とするよりは、「セグウェイ社オーナー」としたら同じ文字数で誤解も生じないかなと思いながら読んでいました。

Los Angeles TimesWeb版を確認してみますと、

Segway company owner dies in fall

British businessman Jimi Heselden, who bought the company last year, dies in a fall off a cliff on his West Yorkshire estate, apparently while riding a Segway.

とあり、訳してみますと、

セグウェイ社オーナー、崖から転落死

英国の実業家でセグウェイ社を昨年買収したジム・ヘゼルデン氏が、ウエストヨークシャー州の自宅敷地で崖から転落して死亡した。セグウェイ乗車中の事故とみられる。

となります。

翻訳 で注意すべき点としては、英字新聞の日英翻訳 の場合、この英文のようにdiedよりもdiesという現在形が主に使われるという点がまずあります。ニュース記事や、歴史的な事実、会社案内での沿革を翻訳するときも同様で、現在形がよく使われます。また、"dies in fall"は「秋に死去」と掛けているわけですが、ここまで意識して英訳ができると完璧ですね。

"apparently"を英日の辞書で見ると、第一の意味として「明らかに」とあり、そのような訳語だけで翻訳 してしまいがちですが、「現場を検証したところ、セグウェイも崖下から一緒に発見」ということがおそらくあったのでしょう。日本語のニュース記事でよく使われる「~とみられる」にちょうど相当します。

セグウェイは開発当時の「ジンジャー」と呼ばれていたころから注目していましたが、「環境に優しい乗り物(environmentally-friendly vehicle)」として、公道(public road)でも安全に乗れるような形のものが開発されるとよいですね。


(株)高橋翻訳 事務所代表 高橋