買電制度について | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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経済分野の翻訳 を担当している佐々木です。今回のテーマは買電(sales of electricity)制度です。


太陽光(solar/photovoltaic power)などで発電した電気を電力会社に買い取らせる制度の拡充について、経済産業省(Ministry of Economy, Trade and Industry)が試案をまとめました。温暖化対策基本法案は、国の1次エネルギー(primary energy)に占める再生可能エネルギー(renewable energy)の割合を現在の3%から2020年までに10%にすることを目指しています。目標の達成に向け、政府は太陽光発電(solar/photovoltaic power generation)についての買い取り制度をすでに始めました。


屋根などに設置したパネルで発電する電気を1キロワットあたり48円と、使用する電気料金の約2倍で買い取らせています。しかし、買い取りの対象となるのは余剰分の電気に限られているため、発電したすべての電気を買い取ってほしいとの要望が出ています。また、太陽光以外の風力(wind power)、地熱(geothermal power)などによる発電も対象にすべきだとの意見もあるため、経済産業省が制度の見直しを検討してきました。


試案では、買い取り料金を太陽光発電で1キロワットあたり42円、太陽光以外を20円とし、対象も広げるなど、さまざまなケースを組み合わせています。料金が高くなるほど発電への参加者が増え、削減される二酸化炭素(carbon dioxide)の量も多くなりますが、それに伴って電気代の負担が増すことも懸念されています。試案によると、一般的な家庭で1ヶ月最大500円以上高くなり、現行制度上の最大負担額となる約100円を大幅に上回ってしまいます。そのため、発電設備のない家庭からは不満の声も上がっています。また、億円単位で電気代が増える企業も出るため、経営の重荷になるとの指摘もあります。


政府は「温暖化対策のために多少の負担をお願いしたい」としていますが、国民に対して明確なビジョンを示すとともに、説明責任(accountability)を果たすことが求められます。


(株)高橋翻訳 事務所 経済翻訳 担当 佐々木