アメブロ初の記事,現状我が家のターンテーブルに一番よく乗っかるこのアルバムから。


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日本盤,CLASSIC RECORDSによる重量盤など,かなりの枚数集めましたが,現状手元にあるのはこの2枚だけ。

US盤 発売:1969/10/22
us cover
UK盤 発売:1969/10/31
uk cover

spine
上:UK盤 下:US盤



【手持ち盤について】
US盤 品番SD8236
ジャケットは光沢のないずっしりとしたものが初回。
後発はつるつるの少し薄い紙が使われている。

アトランティックレーベルは,1973年中期まで1841 BROADWAYという住所が記されている。
us-1
us-2

1973年中頃から75 ROCKFELLER PLAZAに表示が変わり,'75年からはワーナーのWマークが追加される。
6時の位置の記号番号ST-A-691671-MO/〃672-MOについて。
ST=ステレオ録音
A=アトランティックレコード
69=マスターテープ制作年1969年
1671/1672=マスターテープの固有番号
MO=MONARCH RECORDS アメリカ西海岸のレコードプレス工場

盤内周のマトリクス(注1)ST-A-691671-BB RL SS/ST-A-691672-AA RL SS すべて手書き

アルファベット末尾が2文字なのは,プレス工場で1文字追加刻印しているため。
別の工場だと2文字追記して-AAAだったりする。
RLは原盤のカッティングエンジニアRobert Ludwig
マトリクス末尾-A/-B/-Cまでカットしている。

アメリカでは予約だけで40万枚というから,全米各地で数種類の初回プレスが生産されているはず。

UK盤 品番588198
ジャケットはミルクティー程度のライトブラウンで,ペイジの頭髪が赤く浮き出ているものが初回。
UKジャケットは後発になるにつれ,どんどん黒っぽくなっていく。ペイジの頭髪は2ndプレスから周囲の色に溶け込んでしまう。

背表紙はUSジャケットのように青っぽくなっているが,ライトブラウンの褪色だと思う。
元々青かったという説もあるが,背表紙からはみ出して青っぽくなっているものを見たことがあるので,僕は褪色だと考えている。
UKのジャケは,USから送られてきた原稿を基に作成したようで,品番を隠した跡が残っている。後発にはない。
uk-logo


UKアトランティックは,1972年初頭くらいまでポリドール・レコードが配給していた。赤と紫のいわゆるレッド・プラム(マルーン)レーベル。'72年にアトランティックがワーナーの傘下となり,US同様赤(オレンジ)と緑色のレーベルとなる。こちらも'75年からワーナーのWマークが追加される。
uk-1
uk-2

マトリクス番号 588198 A∇2 1 2 3 5/588198 B∇2 1 2(1と2が重なっている) 4 すべてマシン刻印

A面3曲目「LEMON SONG」は,UKのみ裁判沙汰となり1971年ころより「KILLING FLOOR(Burnett)」となる。
さらに後期盤は,「LEMON SONG」に戻るが,曲のクレジットがメンバー4人ではなく「Burnett」となる。
B面の2曲目「LIVING LOVING MAID」がレーベル上「LIVIN' LOVIN' WRECK」とミスプリントされている盤のほうがA∇2 1 1 2/B∇2 1 1 4などのように枝番号が若いため,若干早いプレスと思われる。

うちのはB面「MAID」だが,奇跡的な盤質であることからこちらを手元に取ってある。
WRECK盤はすべて手放してしまった。
「KILLING FLOOR」レーベルになると,マトA//5/B∇4やA//5/B//5,A//6/B∇4がほとんどのようだ。

【音質について】
手持ちのUS/UKを改めて聞き比べてみた。

一言でいうと鮮度のUS。音作りのUK。
普段半々くらいで聴いている。どっちか取るとなると。。。USのRL盤か。

USのRL盤は,当時の機器で針飛びが頻発したらしく,早々に回収されたと聞いたことがある。
大音量で聴くと,広い音場にとても生々しい演奏が現れる。ボンゾ降臨!と言ったところか。
間違いなくオーディオ的にHi-FiなのはRL盤だと言える。

ただし,US盤で聴くこのアルバムは注意が必要。
RLのないマトリクス末尾-L/-M/-Nあたりの内周無音部の広い盤はオリジナルでもあまりお勧めしない。とっても遠くで演奏されているような音だ。ぼわ~んとリバーブがかかり過ぎである。

RL以外でUS盤を入手するなら末尾-W/-X/-YあたりでAT/GPという刻印のある盤だ。これはGeorge Pirosによるカッティングで,RL盤よりも若干芯が細めだが,高域のシャキッとしたレンジの広いサウンドを堪能できる。RL盤は初回プレスのみだが,AT/GP盤は再発でも割とごろごろ出回っているので,比較的安価に入手できると思う。今年はじめ,新宿のちょっと怪しいレコード屋さんで2000円程度。


対してUKマト2盤は,US盤と音のバランスが異なる。中低域に厚く,ゴリゴリの低音が迫って来る。A面2曲目の雰囲気はこちらがいいかもしれない。
かといって高域も濁らずきれいに響く。RL盤に比べて音が若干真ん中寄りで,押しが強く迫力がある。
UK盤は状態のいい盤がかなり少ない気がする。見た目EXくらいでも,試聴してみると針飛びや,溝(特に内周!)がジャリジャリに減っている盤(かつての所有者がモノ針で再生してたり?)に結構巡り逢うことがよくあった。
※UK盤のマト1はテストプレスでも見たことがなく,手書きの枝番なし-A/-B(PYE委託プレス?)は数枚入手して聴いたことはあるが,盤質のよいものに当たったことがない。いずれも片チャンネルにシュワーっというノイズが乗っていた。(基本的にマト2と同じ傾向の音だが左右のチャンネルが若干広い)
UK盤は,マトリクス番号が上がるにつれて音が徐々に遠くなっていくような感じになる。


その他,手放してはしまったが日本盤(初回日本グラモフォン青/緑レーベル)は,RL盤の音量が少し低くなった感じ。これはこれで悪くはないと思う。CLASSIC RECORDSは,AT/GP盤に似た感じで中高域が澄んでいる感じ。SHM-CDもこれに似た感じだった。今年のリマスターはまだ聴いていない。

※2014/11/08追記
2014リマスターをアナログで聴いてみた。\2500前後でこの音質なら、充分なコストパフォーマンスだと感じた。前回のリマスターまで残っていたマスターテープ起因と思われるノイズも除去されており、しっかりとクリーニングを行ったことが伺える。ドイツプレス180g重量盤の所有感もいい。カッティングレベルは日本グラモフォン盤と同程度だった。

ただ、やはりUS、UKオリジナル盤と比較すると鮮度が一段下がっている。スネアの皮にスティックが当たるときの質感はオリジナル盤には及ばないし、Thank Youのヴォーカル最終部ではプラントの声がかすれていたりする。またジャケットの絵の鮮度が落ちていて、紙質も現代的な薄いものが使われており少し安っぽく感じてしまった。。。まぁジャケットのシールにもreplicaと書いてあるが(笑)(このジャケット直貼りのシール、角からゆっくり慎重にやれば剥がすことができる)




RL盤とUKマト2盤は,近年これでもか!と値上がりしている。
特にUKマト2盤は状態がいいとヤフオク,ebayともに5万近くまで跳ね上がることもざらで,
とても手が出せない。。。orz

次回は,HOUSES OF THE HOLYをやってみようと思います。
手持ちはUS初版×2,UKマト両面1,独テストプレスです。



(注1)マトリクスコードについて:判る方には説明不要ですが。。。レコードの原盤を作成した際に内周に刻む管理番号。UK盤だと初回盤は品番-1や品番-A1などが多く,US盤は-Aや-1Aなどの形式が多い。
なお、-1や-A∇1,-A,1Aなどが失敗作となると-2やA∇2,-B,-2Bなどが初回盤となることもある。
基本的にこの番号が市場に出回っている中で最も若い盤は,原盤作成(マスタリング)にアーティスト自身や著名なエンジニアが立ち会っている場合が多く高音質なものが多い。
また,はじめからヒットが見込まれるレコードの場合,初めから何種類ものマトリクス番号の刻まれた盤が出回ることもある。US盤の場合,初回盤でマト-A~Gまで一気に切られていたり。。。