ペルーで開催されていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議は、『効果的な多国間協力が一段と重要だ』という首脳宣言を採択して閉幕したらしい。
このAPECが本格的な外交デビューとなった石破首相だが、果たして各国首脳とどのような関係性を構築できたのだろうか。
実は、少なからずその振る舞いに、暗い先行きを感じさせられてしまう場面があったようだ。
APECなどの国際会議で行われる恒例行事が、参加国の団結を示すための集合写真の撮影だという事のようだが、この時、どの位置に立つのか、また誰の隣で写真に写るのか、そういった何気ない動作が国内外に存在感を示すことにつながるという。
ところが、なんと石破首相はこの集合写真の撮影を欠席したというのだ。
理由は交通渋滞で撮影時間に間に合わなかったという事のようだが、日本の首相が並んでいないのは前代未聞の事態と言っていいのではないだろうか。
林官房長官は会見で、石破首相の写真撮影欠席について、「首脳会議自体の成果や各国首脳との関係構築に影響を与えたとは考えていない。」などと説明していたが、SNS上で写真撮影の欠席以上に問題視する声が上がっているのが、会議に出席した石破首相の態度だという。
拡散されている映像には、APEC会場内を各国首相らが立ち上がって積極的に他国の要人とコミュニケーションを図る中、石破首相が一人で自席に座り、懸命にスマホを操作している姿が映っており、驚くのは他国首脳と応対した際の態度だったという。
マレーシアのアンワル首相やカナダのトルドー首相などが次々に石破首相の席を訪れ、笑顔で話しかけながら握手を求めたらしいのだが、これに対して石破首相は立ち上がることもせず、ふんぞり返ってニンマリしたままだったというのである。
この石破首相の姿について、立憲民主党の小沢一郎氏の事務所はX(旧ツイッター)で下記のように苦言を呈していたそうだ。
『たまにこういう人はいる。率先して交流を深める場なのにスマホばかりいじって自分の席を立たない。しかも相手が挨拶に来ても座ったまま。非礼の極み。問題は、それがわが国の総理だということ。もはや誰も注意できない裸の王様。恥ずかしいこと。外務省の責任も重大だが、基本的には総理の資質の問題。』
野党サイドの発信であるので、話半分と言いたいところだが、今回はまさにその通りだと思う。
笑顔でハグとは言わないまでも、立ち上がって対応するぐらいはできるのではないだろうか。
石破氏は、首脳会談は初めてでも大臣経験があるのだから、同様の国際会議に出席した事はあると思うのだが…。
自国の首相の振る舞いとしては、何とも情けない限りである。