ワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグC組は22日、同国ルサイルのルサイル競技場で、サウジアラビアが2-1でアルゼンチンに逆転勝利した。
0-1で迎えた後半開始早々、ハーフウエーライン付近でボールを奪った味方の縦パスに反応すると、ペナルティーエリア左へ進入し、角度のない位置で倒れ込みながら左足を振り抜いた。
相手DFの股を抜いたボールが右隅へ吸い込まれると、仲間たちと抱擁し、神へ祈りをささげた。
そして5分後に味方がもう1点を加えた。
描いたプラン通りの得点で、相手の守備陣形が整う前に一気に縦を突くという、格上を倒すには定石の堅守速攻だった。
試合を通じてのシュート数はアルゼンチンの14本に対し、3本ながら2得点。
いかに効率良く攻め、ピンチをしのいだのか分かる。
ただ、自陣のゴール前を固める消極的なプレー選択をしたわけではなく、守備ラインを高く設定し、先制点を許してもこの方針がぶれる事はなかった。
巧みなラインコントロールでアルゼンチンのオフサイドを誘発し、前半にメッシらに3度もゴールネットを揺らされたが、いずれもオフサイドの餌食にした。
逆転勝利への道筋を作ったシェヘリは「正直なところ、私たちの今の気持ちをうまく説明できない。」と言った。
W杯のアジア勢で唯一アルゼンチンを倒したチームになったサウジアラビア。
国際サッカー連盟(FIFA)ランキング3位を51位が破るという衝撃的な試合は、その試合の舞台から『ルサイルの衝撃』として、アジア勢、特に中東勢にとっては後世に語り継がれることになるだろう。
