猛烈な台風11号は31日、沖縄本島周辺の海上を南寄りに進み、さらには発達しながら南西に向かい、9月1日にかけて先島諸島に近づく見通しとなっているらしい。
沖縄の南で動きがゆっくりとなり、5日ごろには東シナ海を北上する見込みだという。
急速に発達した台風11号に絡み、気がかりなのが日本の南海上にある熱帯低気圧で、8月31日午後6時時点では熱帯低気圧だが、今後台風に変わるとみられていて、11号の進路や移動速度に影響を与える可能性があるという。
2つの台風が接近すると、相互作用で複雑な動きを見せる『藤原の効果』と呼ばれる現象が起きる恐れがありそうだとの事で、専門家は早期の対応を呼びかけているらしい。
京都大学防災研究所の竹見哲也教授(気象学)によると、夏場は上空の偏西風が日本付近より北にあるため、台風が複雑な動きを見せるケースがあり、さらに今回は周辺で新たな台風が発生する可能性もあるため、その場合、「進路や移動速度の予報が大きく変わることもある。」といい、11号が沖縄本島付近で停滞したり、九州や西日本に接近・上陸したりする恐れもあるとの事だ。
2つの台風の相互作用は『藤原の効果』と呼ばれ、中央気象台(現気象庁)台長を務めた藤原咲平が大正10(1921)年に提唱したことが名前の由来となっているそうだ。
今回の台風11号について竹見氏は、「『まだ大丈夫』と思っていても急に強風が吹く恐れがある。」と指摘し、また本州には前線が停滞しており、「台風から離れている地域でも大雨に注意してほしい。」とも訴えているそうだ。
今回の台風は、強い、遅い、迷走と迷惑3拍子が揃っており、竹見氏が言うように停滞している前線との絡みもある事から、台風に近い地域以外でも十分に注意する必要がありそうだ。
