政府は電力料金の上昇の負担を軽減するため、節電をした家庭や企業にポイントを還元する制度を導入する検討を始めたらしい。
電力会社がアプリなどを使って既に実施している還元制度を利用し、前年より節電した家庭などにポイントを還元することを想定しているのだという。
岸田首相は15日の記者会見で、電気料金については「直ちに値上がりしない料金制度とし、家庭用電気料金の上昇幅を欧州の3分の2程度に抑えている。」と強調し、また「省エネと節電の徹底のための措置を早急に公表する。」と電力需給への影響にも言及したそうだ。
政府は6月7日に、7年ぶりに家庭や企業に対して節電を要請し、家庭での室温を28度にすることなどを呼びかけた。
政府が節電ポイント還元制度の導入を検討するのは、電力需給逼迫による大規模停電が起きかねないという危機感からだという。
休止中の火力発電所再開など供給サイドの対策も急ぐが、まずは需要面から働きかけて実効性を高める狙いがあるのだそうだ。
経済産業省は今夏の電力供給の余力を示す予備率について、3.1%まで低下すると予測しているらしく、この数字は電力需給逼迫警報を発令する水準に近い数字であり、「事故や災害などで発電所が一つでも止まれば、いつ大規模停電が起きてもおかしくない。」と危機的な状況ギリギリの対応になるかもしれないらしい。
政府は節電を要請はしたが、数値目標は示しておらず、ポイント還元制度の導入で節電へのインセンティブを高めるとともに、電気料金値上げなどの物価高対策にもつなげる狙いがあるようだ。
また、電力事業者支援の側面もあるとみられている。
東京電力エナジーパートナーは7月~9月、要請に応じて電力消費を標準より抑えた家庭に1キロワット時あたり5ポイントを付与すると8日に発表しており、ポイントはアマゾンギフト券などに交換できるのだそうだ。
政府の節電要請には賛同する事ができるのだが、問題は思い付きのようなポイント制度だ。
常日頃から節電を心掛けている家庭の場合、今回の恩恵を受ける可能性が低く、逆に普段から電力の無駄遣いをしているような過程こそポイント荒稼ぎが可能なのである。
そんな事をするぐらいなら、低電力で暮らしている家庭の電気料金を引き下げ(もしくは据え置き)、電力使用の多い家庭の電気料金を引き上げるような対応は出来ないのだろうか?
思い付きのような対応に振り回されるのは、本当に勘弁してもらいたい。