産まれも育ちも飯舘村です。産まれて間もないころに家族の一員になって10年になります。自由に裏山を走り回っていました。イノシシとも闘って追い払ってくれました。病気一つしない元気な子でした。
もう4年も柵の中での生活、充分にかまってやれません。
飼主さんはそう言って「譲渡書」にサインをされました。
「ゆず」の住む場所は、夏は日覆を、冬は風除けを作って守ってありました。ひもじい想いをさせまいと大きなタライにドライを山のように置いてありました。柵内の不自由さを和らげるため可動式の係留チェーンにされていました。
給餌に訪問するたびに、飼主さんの「家族」にかける愛情が感じられました。
本日、飼主ご夫妻に伴われて「ゆず」は村を出ました。行きついた先は、福島市にある「SORA」シェルター。ここで新たな飼主さんを待つのです。
飼主さん手作りの「ゲージ」に入ってSORAに着きました。
SORA代表の二階堂さんたちスタッフ全員で迎えていただく。
飼主さんが書類に記入の間も、ワン!とも言わずお利口に待っています。
手続きが終わりました。
お別れのときが・・・。御夫妻がお礼を述べられました。
「ゆず」が今日初めてワン!ワン!ワン!・・・・・・鳴きました。
日中は、しばらくはみんなと離れて一人で過ごすことに。
この姿は村に居た時そのものです。
また来るから・・・