$hashikawa's blog


今年7作目となる映画「ツナグ」を観て来ました。
たった一度だけ死んだ人と会わせてくれる、その再会を仲介する使者 "ツナグ"。

死を題材にした物語の性質上、スベリようのないハートウォーミングな感動作品かと思いきや、
死者との再会を望む理由や背景にはやはり色々あるようで、想像以上にトゲがありました。


ただ、"ツナグ" という存在のルールが効き過ぎていて、その在り方や使命に話が寄り過ぎてたかな。
現実に死んだ人間と会うことはできないので、展開をツナグにフォーカスされると救いがない気が。

ツナグを介して会いたい人に会う人たちのエピソードのバリエーションも少し弱かったかも。
でも、スリリングな描写とトリッキーなストーリー展開の女子高生のエピソードは凄かったです。

小説だともっと掘り下げているのかも知れないですが、そのメッセージ性やテーマを、
人間の根源的な在り方や生きるヒントにもっと強めに結びつけて欲しかったかなとも思います。


それでも、生き方や生きている間の人との関わり方などを考える良い機会を与えてくれるし、
死、あるいは死後を通して生を問うファンタジー作品としてはとても良くできていました。

家族や大切な人を大切にしたい、後悔の無いように生きたいと、あらためて思わせてくれる映画。
一度限りで一晩のみの邂逅を、自分なら誰と過ごしたいかな...。


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レイトショー後の静かなロビー。
劇場での公開はそろそろ終わってしまうかも。。。