新年度ということで、なんとなくブログの「テーマ」を分けてみました。
そして、少し久しぶりな書評(家きどりw)ブログ。
人材採用関連を主軸に経営支援事業を行ってきた「ワイキューブ」の社長、
「安田 佳生」氏の著書「私、社長ではなくなりました。」をご紹介。
2011年3月に民事再生法の適用申請をした、ベンチャーの旗手ワイキューブ。
安田氏自らが語る回想で、ベンチャー企業の盛衰を追体験することができます。
ビジネス的な学びというよりは、読み物としての読み応えがあり、
情熱と勢いを持った経営能力の光と影から、事業運営の精妙さを知ることができます。
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明日の仕事が決まっていないことよりも、
明日からの満員電車が決まっていることのほうが、私には怖かった。
「やりたくないことを避ける」ことは、決して悪いことではない。
ただし、やりたくないことの線引きにはセンスが必要である。
波風立てずに秩序を保って生きていれば、
呼吸をしているという意味では、生きているといえるのかもしれない。
けれども、私にとってそれは「生きている」ことにはならない。
ただ「死んでいない」ということにすぎないのだ。
売上を伸ばすことと利益を伸ばすことは、まったく別のことである。
まったく別の能力が必要である。
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業績が良かった頃は、ワイキューブの経営手法はハデで夢があり、革新的とされた。
しかしそれを維持できなくなり、いざ会社を潰すことになると、全ては否定される。
先日の、マクドナルド原田社長の記事でも書きましたが、
成功か否かを決めるのは業績であり、やはり数字を持った結果が何より雄弁。
最終章では「利益を上げていくことが、会社が存続していくための前提条件」としながらも、
「伝えたい想いだけが先行していた」と、ジレンマへの苦悩が綴られています。
ご本人は、その優先順位を見誤り、技術が不足していたと書かれていますが、
異をなすふたつをバランスすることが経営の真理。
想いと利益...会社の経営には技術がいる...。
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7435日...20年間、経営者として会社を存続させたということは、
それでもどこかに、秀でた経営の才知があるということなのでしょう。